ニュース速報

ワールド

デルタ変異株、米州で感染拡大 汎米保健機構「非常に憂慮」

2021年08月05日(木)08時13分

 世界保健機関(WHO)の米州事務局である汎米保健機構(PAHO)は4日、新型コロナウイルスの変異株「デルタ」について、米州の約20カ国に感染が広がっており、「非常に憂慮される」との見解を示した。6月、メキシコ市で撮影(2021年 ロイター/Luis Cortes)

[メキシコ市 4日 ロイター] - 世界保健機関(WHO)の米州事務局である汎米保健機構(PAHO)は4日、新型コロナウイルスの変異株「デルタ」について、米州の約20カ国に感染が広がっており、「非常に憂慮される」との見解を示した。

また、別の変異株「ラムダ」について注視していることも明らかにした。

PAHOのエティエンヌ事務局長は、米国や中南米・カリブ諸国におけるデルタ株感染の拡大に対し、各国政府はマスク着用などの予防措置を優先し、特にワクチンの接種ペースを加速させるべきだと強調。

記者団に対し「デルタ型では感染がより容易に広がるとみられ、憂慮される。気を緩めている余裕はない」と語った。

中南米・カリブ諸国でワクチン接種を完了した人の割合は現時点でわずか18%にとどまっているという。

また、新型コロナの感染拡大は北米(特に米南部や東部)とメキシコ中部の一部で加速していると指摘。

グアテマラ、ブラジル、キューバでも新規感染者が増加していると述べた。

PAHOの新型コロナ・インシデントマネジャー、シルバン・アルディギエーリ氏は、米州では「アルファ」「ガンマ」といった変異株への感染例が依然として多いものの、アルゼンチンやペルー、チリ、エクアドルなど深刻な打撃を受けている南米諸国で最近ラムダ型が検出されていると指摘。

「ラムダはわれわれが関心を持っている変異株で、デルタは極めて憂慮すべき変異株だ」と語った。

ラムダについては、感染能力が高い可能性はあるが、現時点では症状を重症化させるリスクが高いと推測できる証拠がないとした。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

独VW、中国合弁工場閉鎖へ 生産すでに停止=独紙

ビジネス

ECB、ディスインフレ傾向強まれば金融緩和継続を=

ワールド

米中外相がマレーシアで会談、対面での初協議

ワールド

米政府、大規模人員削減加速へ 最高裁の判断受け=関
MAGAZINE
特集:大森元貴「言葉の力」
特集:大森元貴「言葉の力」
2025年7月15日号(7/ 8発売)

時代を映すアーティスト・大森元貴の「言葉の力」の源泉にロングインタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 2
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に...「曾祖母エリザベス女王の生き写し」
  • 3
    トランプ関税と財政の無茶ぶりに投資家もうんざり、「強いドルは終わった」
  • 4
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...AP…
  • 5
    アメリカを「好きな国・嫌いな国」ランキング...日本…
  • 6
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「…
  • 7
    アメリカの保守派はどうして温暖化理論を信じないの…
  • 8
    名古屋が中国からのフェンタニル密輸の中継拠点に?…
  • 9
    トランプはプーチンを見限った?――ウクライナに一転パ…
  • 10
    【クイズ】日本から密輸?...鎮痛剤「フェンタニル」…
  • 1
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 2
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 3
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...APB「乗っ取り」騒動、日本に欠けていたものは?
  • 4
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸…
  • 5
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 6
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコ…
  • 7
    「本物の強さは、股関節と脚に宿る」...伝説の「元囚…
  • 8
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」…
  • 9
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 10
    職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中