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欧州医薬品庁、ロシア製コロナワクチンの逐次審査を開始
欧州連合(EU)の欧州医薬品庁(EMA)は3月4日、ロシア製の新型コロナウイルスワクチン「スプートニクV」のローリング・レビュー(逐次審査)を開始したと発表した。逐次審査は通常の審査よりも早く終了しやすい。写真はスプートニクVのシリンジ、ロシアのサンクトペテルブルクで2月撮影(2021年 ロイター/Anton Vaganov)
[4日 ロイター] - 欧州連合(EU)の欧州医薬品庁(EMA)は4日、ロシア製の新型コロナウイルスワクチン「スプートニクV」のローリング・レビュー(逐次審査)を開始したと発表した。逐次審査は通常の審査よりも早く終了しやすい。
EU加盟国内では、ハンガリーが1月に初めてスプートニクVの緊急使用許可を出し、スロバキアも発注するなど、一部に先行する動きが見られる。ただEMAが承認すれば、域内全体の使用が正式に可能となる。
スプートニクVの国際的な普及を推進しているロシア直接投資基金(RDIF)のドミトリエフ総裁は、EMAが逐次審査を始めたことを高く評価。ロイターに対して「スプートニクVはロシアと欧州の架け橋になり得る。だがその接種を政治の世界にはめ込むべきではない」と語り、ドイツとフランス、イタリア、オーストリアはスプートニクVに対して現実的な対応をしているとたたえた。
ロシアが昨年8月、完全な臨床試験結果が判明する前にスプートニクVの使用を認めた時点では、一部の西側科学者から効果に懐疑的な声が出ていた。しかし先月の医療専門誌には、後期臨床試験を相互評価したところ、有効性は約92%だったとする科学者の見解が紹介された。
ドミトリエフ氏は、EMAが承認した場合、ロシアは欧州向けに6月から5000万回分を提供できると述べた。また具体的な国名は明らかにしなかったが、幾つかのEU加盟国が今月中に国内でのスプートニクV使用を許可するとの見通しを示した。
EU欧州委員会は4日、現時点でスプートニクVをEUとして購入する交渉はしていないと説明した。
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