ニュース速報

ワールド

豪中銀、雇用支援へ追加措置を検討 政策金利は据え置き

2020年10月06日(火)19時34分

 10月6日、オーストラリア準備銀行(豪中銀、RBA)は6日、政策金利のオフィシャルキャッシュレートを0.25%に据え置いた。写真はシドニーで2009年10月撮影(2020年 ロイター/Daniel Munoz)

[シドニー 6日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(豪中銀、RBA)は6日、政策金利のオフィシャルキャッシュレートを0.25%に据え置いた。ただし、新型コロナウイルス禍で大打撃を受けた経済を支援するため、追加措置を講じる可能性を示唆した。

豪中銀は、3月に緊急利下げで政策金利を0.25%として以降、据え置いている。ロイターの調査では、据え置き予想が大勢だった。

ロウ中銀総裁は声明で「理事会は失業率の高止まりへの対応が優先課題と認識している」とし「経済の再開が進む中で、雇用支援につながる追加の緩和措置について引き続き検討している」と述べた。

●追加●ANZバンクは、声明は利下げが迫っていることを示しているとして見通しを変更した。政策金利は来月0.1%に引き下げられるとみている。

●追加●国内4大銀行のうち、ウエストパックとナショナル・オーストラリア銀行も来月の利下げを予想している。

ウエストパックのチーフエコノミスト、ビル・エバンス氏は、労働市場へのフォーカスは、失業の長期化リスクに対する中銀の懸念を示すと指摘。11月会合で、政策金利と3年債利回り目標が0.1%に引き下げられるとの自身の見方を裏付けていると分析した。11月会合では、5─10年債の買い入れにコミットする方針も示される見込みだという。

同氏は「われわれの見方からすれば、きょうの予算案発表を踏まえ、中銀が来月動くことを計画しているということは非常に心強い」と述べた。

中銀は先月の会合で、金利据え置きとターム物資金調達ファシリティーの2000億豪ドル規模への拡大を発表した。

ロイターの先週のエコノミスト調査によると、豪中銀は11月に15ベーシスポイント(bp)利下げし、政策金利を0.1%にするとの見方が大勢となっている。

ロウ総裁は、公的部門のバランスシートは「良好」で、政府が予算に追加支援を組み入れる余地があるとの見方を示した。

その上で「景気見通しと高い失業率予想を踏まえると、財政・金融両面での支援がしばらくの間必要となる」と述べた。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

スペインの極右政党ボックス、欧州議会選へ向け大規模

ワールド

イランのライシ大統領と外相が死亡と当局者、ヘリ墜落

ビジネス

欧州当局、モデルナのコロナワクチン特許有効と判断 

ワールド

頼清徳氏、台湾新総統に就任 中国メディアは「挑発的
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「隣のあの子」が「未来の王妃」へ...キャサリン妃の「ロイヤル大変貌」が話題に

  • 2

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 3

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイジェリアの少年」...経験した偏見と苦難、そして現在の夢

  • 4

    米誌映画担当、今年一番気に入った映画のシーンは『…

  • 5

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 6

    「裸に安全ピンだけ」の衝撃...マイリー・サイラスの…

  • 7

    「まるでロイヤルツアー」...メーガン妃とヘンリー王…

  • 8

    「すごく恥ずかしい...」オリヴィア・ロドリゴ、ライ…

  • 9

    中国の文化人・エリート層が「自由と文化」を求め日…

  • 10

    日本とはどこが違う? 韓国ドラマのオリジナルサウン…

  • 1

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 2

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 3

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 4

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 5

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 6

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 7

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 8

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 9

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイ…

  • 10

    「隣のあの子」が「未来の王妃」へ...キャサリン妃の…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中