ニュース速報

ワールド

豪州、海外からの帰国者の制限検討へ=モリソン首相

2020年07月08日(水)14時33分

7月8日、オーストラリアのモリソン首相は、海外から帰国する市民や永住者の人数を制限することを検討する方針を示した。メルボルンで撮影(2020年 ロイター/Sandra Sanders)

[シドニー 8日 ロイター] - オーストラリアのモリソン首相は8日、海外から帰国する市民や永住者の人数を制限することを検討する方針を示した。

同国では、人口が2番目に多いビクトリア州で新型コロナウイルスの感染者急増を受け行動制限が再導入されたが、モリソン首相は制限措置を全国的に再導入する計画はないとした。

ビクトリア州はまた、ニューサウスウェールズ(NSW)州との州境も7日深夜に閉鎖した。州都メルボルンでは新型コロナの感染者がここ数日急増しており、8日深夜からロックダウンが再び実施される。

モリソン首相はテレビ中継された記者会見で「みなさんが現在経験している犠牲はみなさん自身と家族のためだけでなく、オーストラリアの社会全体のためであることを全国民は理解している」と述べた。

「いら立ちは分かる。われわれはウイルスをコントロールすることはできない。だがウイルスへの対応は自分たちで決めることができる」と語った。

同首相はオーストラリアへ戻る航空便の数を制限して市民や永住者の帰国を遅らせることを10日に提案する考えを明らかにした。

<1週間で最大10億豪ドルの打撃も>

これに先立ち、フライデンバーグ財務相は、ビクトリア州で再導入された行動制限について、1週間で豪経済に最大10億豪ドル(7億米ドル)の打撃が生じる可能性を指摘した。

メルボルンでは8日深夜から少なくとも6週間のロックダウン(都市封鎖)が再導入された。カフェやバー、レストラン、美容院、ジムが営業停止となり、不可欠な仕事を除き約490万人が自宅にとどまることが求められる。

財務相はオーストラリア放送協会(ABC)で「1週間で最大10億豪ドルの打撃となる。企業に大きな影響がでるだろう」と発言。同州が国の経済の約4分の1を占めるとの試算に基づいている。

ビクトリア州では8日朝までの24時間で134人の新規感染が明らかになった。1日の新規感染者数は過去最高だった前日の191人からは減少したが、一桁台前半の他の州と比べて格段に多い。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

EU、ウクライナ支援で2案提示 ロ凍結資産活用もし

ワールド

トランプ政権、ニューオーリンズで不法移民取り締まり

ビジネス

米9月製造業生産は横ばい、輸入関税の影響で抑制続く

ワールド

イスラエル、新たに遺体受け取り ラファ検問所近く開
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇気」
  • 2
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与し、名誉ある「キーパー」に任命された日本人
  • 3
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させられる「イスラエルの良心」と「世界で最も倫理的な軍隊」への憂い
  • 4
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国…
  • 5
    【クイズ】日本で2番目に「ホタテの漁獲量」が多い県…
  • 6
    台湾に最も近い在日米軍嘉手納基地で滑走路の迅速復…
  • 7
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 8
    トランプ王国テネシーに異変!? 下院補選で共和党が…
  • 9
    トランプ支持率がさらに低迷、保守地盤でも民主党が…
  • 10
    コンセントが足りない!...パナソニックが「四隅配置…
  • 1
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 4
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 5
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 6
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 7
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 8
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 9
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 10
    子どもより高齢者を優遇する政府...世代間格差は5倍…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 4
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 5
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中