ニュース速報

ワールド

EU、中国首脳と経済巡り会談 香港安全法への懸念も表明

2020年06月23日(火)15時06分

欧州連合(EU)と中国は22日、テレビ会議形式による首脳会談を開催した。EUは中国が約束した経済開放を実現するよう求めるとともに、香港への統制を強める「香港国家安全法」が成立すれば「多大な負の結果」を招くことになると警告した。北京で2018年6月撮影(2019年 ロイター/JASON LEE)

[ブリュッセル 22日 ロイター] - 欧州連合(EU)と中国は22日、テレビ会議形式による首脳会談を開催した。EUは中国が約束した経済開放を実現するよう求めるとともに、香港への統制を強める「香港国家安全法」が成立すれば「多大な負の結果」を招くことになると警告した。

フォンデアライエン欧州委員長とミシェルEU大統領は中国の習近平国家主席、李克強首相との会談後、新型コロナウイルスに関する偽情報を拡散したとして改めて中国を非難したと明らかにした。

フォンデアライエン氏は会見で「EUと中国の関係は戦略上、極めて重要であるとともに、大変難しい問題も抱えている」とし、中国はパートナーでありライバルでもあると強調。その上で、中国は欧州企業に対する一段の門戸開放や合弁事業の情報共有に絡む規制の撤廃といった2019年の取り決めを果たしていないと指摘した。

ミシェル氏は、中国は中国企業が欧州で受けている恩恵に報いていないと語った。

中国外務省の欧州担当者は23日、2019年の取り決めに関するフォンデアライエン氏の発言について問われると、グリーンファイナンスや政府調達などの分野で明らかな進展があったとした上で、忍耐が必要だと語った。

ただEU側は2014年から続けている中国との投資協定交渉のさらなる進展を望んでいる。当局者によると、EUは自動車、バイオ技術、マイクロエレクトロニクスなどの分野での進展を望み、中国が国営企業への補助金を制限することを期待している。

一方、李首相は国営メディアを通じ、EUは中国にとって競合相手である以上に協力相手であり、新型コロナのワクチンや治療を巡って協力を深める用意があると表明。さらにEUが対中輸出規制を緩和するよう期待していると述べた。

<香港>

会談では、フォンデアライエン氏らが中国首脳に香港安全法制への懸念を表明。同氏は「中国が安全法制を推し進めるのであれば、多大な負の結果を招きかねないと伝えた」と明らかにした。具体的な対応については触れなかった。また「EUはこの問題で主要7カ国(G7)とも連携している。われわれの立場は非常に明確であり、中国側に再考を促した」と語った。

中国政府は20日、香港安全法制の基本となる「香港国家安全維持法案」の詳細を発表。法案には香港の治安維持のための全面的な強権発動や、行政長官をトップに据えた「国家安全維持委員会」の新設などが盛り込まれており、西側諸国では香港の高度な自治を保障した「一国二制度」が崩壊しかねないとの危機感が強まっている。[nL4N2DY0EG]

中国外務省の欧州担当者は23日の会見で、安全法制は「中国の内政問題」だとし、中国は外国のいかなる干渉にも反対するとした。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イランで大規模デモ、景気低迷への抗議で死者も トラ

ビジネス

韓国中銀総裁、ウォン安を懸念「経済ファンダメンタル

ワールド

中国百度のAI半導体部門、香港上場を申請

ワールド

金正恩氏娘が宮殿初訪問、両親の間に立つ写真 後継ア
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチン、その先は袋小路か
  • 2
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙」は抑止かそれとも無能?
  • 3
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめる「腸を守る」3つの習慣とは?
  • 4
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 5
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 6
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 7
    【現地発レポート】米株市場は「個人投資家の黄金時…
  • 8
    日本人の「休むと迷惑」という罪悪感は、義務教育が…
  • 9
    「断食」が細胞を救う...ファスティングの最大効果と…
  • 10
    感じのいい人が「寒いですね」にチョイ足ししている…
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 5
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 6
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 7
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 8
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 9
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中