ニュース速報

ワールド

中国鉱工業生産、5月は2カ月連続増 小売と投資は不振

2020年06月15日(月)17時14分

 6月15日、中国の5月の鉱工業生産は2カ月連続で増加したものの、市場予想ほど伸びなかった。小売売上高や固定資産投資は引き続き減少。新型コロナウイルス危機から経済が思うように回復していないことを示唆した。写真は中国で2018年8月撮影(2020年 ロイター/Damir Sagolj)

[北京 15日 ロイター] - 中国の5月の鉱工業生産は2カ月連続で増加したものの、市場予想ほど伸びなかった。小売売上高や固定資産投資は引き続き減少。新型コロナウイルス危機から経済が思うように回復していないことを示唆した。

中国経済が再び軌道に乗るのにどの程度かかるか、各国は注視している。

アナリストは、鉄鋼生産、自動車販売などに回復の兆しがみられるものの、経済活動が新型コロナ危機前の水準に戻るには何カ月もかかるとみている。

国家統計局が15日に発表した5月の鉱工業生産は前年同月比4.4%増加。新型コロナの流行が始まった昨年終盤以降初めて増加に転じた4月(3.9%増)から伸びが加速し昨年12月以来の高い伸びとなったものの、市場予想(5.0%増)には届かなかった。各国の感染防止措置の影響で外需が落ち込み、緩やかに回復しつつある内需に依存していることが背景。

統計局の当局者は声明で「鉱工業生産は全体として改善しているが、まだかなりの困難と不確実性がある」と表明した。

5月の小売売上高は前年比2.8%減で4カ月連続の減少。4月(7.5%減)よりは小幅な減少にとどまったものの、市場予想(2.0%減)以上の落ち込みとなった。厳しい雇用情勢や、流行第2波への懸念から消費者は慎重な姿勢をとっている。

中国交通銀行(上海)のシニアエコノミスト、タン・ジアンウェイ氏は「一部の需要分野では依然制約があり、人々の懸念も続いている。加えて感染が再び広がる兆しもあり、消費にある程度影響が出るだろう」と指摘した。

1─5月の固定資産投資は前年比6.3%減。市場予想(5.9%減)より大幅な減少となった。1─4月は10.3%減だった。

投資全体の60%を占める民間部門の固定資産投資は1─5月に前年比9.6%減少。1─4月は13.3%減だった。

この日発表された5月の不動産統計は投資、販売ともに改善した。

<危機前への回復はまだ>

新型コロナの感染拡大を受けた経済活動の停止で、第1・四半期は数十年ぶりのマイナス成長を記録。5月下旬の全国人民代表大会(全人代)は、約20年ぶりに成長率目標を示さなかった。

国家統計局は、中国経済はまだ通常の状態には戻っておらす、国外のリスクが明らかに高まっていると指摘し、今四半期に成長を回復するには、6月の指標がさらに改善する必要があるとの見方を示した。

5月の鉱工業生産を受けて、一部アナリストは、経済見通しが幾分明るくなったと指摘。交通銀行のタン氏は、第2・四半期は不動産投資の回復でプラス成長に転じるとみている。

しかし、脆弱な雇用が消費を圧迫するとの見方は多い。

INGのエコノミストは第2・四半期の国内総生産(GDP)が3.1%減、2020年は1.5%減との予想を維持。大中華圏担当チーフエコノミストのアイリス・パン氏は「不安定な雇用市場と公衆衛生を巡る懸念が回復を鈍らせる主な要因」と述べ、5月の連休中も、消費者の財布のひもは固かったとの見方を示した。

*内容を追加して再送します。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米3月雇用者数17.8万人増、過去15カ月で最多 

ワールド

米政権、「脱獄不能」アルカトラズ監獄再開へ予算 ア

ワールド

イラン上空で米戦闘機撃墜、乗員1人を救助 対イラン

ワールド

連邦資金「着服」巡り民主州中心に調査、トランプ氏署
MAGAZINE
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
2026年4月 7日号(3/31発売)

国際基準の情報開示や多様な認証制度──本当の「持続可能性」が問われる時代へ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐせ・ワースト1
  • 2
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ海峡封鎖と資源価格高騰が業績を押し上げ
  • 3
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引、インサイダー疑惑が市場に波紋
  • 4
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始め…
  • 5
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅…
  • 6
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イ…
  • 7
    中国は「アカデミズムの支配」を狙っている? 学術誌…
  • 8
    血圧やコレステロール値より重要?死亡リスクを予測…
  • 9
    『ナイト・エージェント』主演ガブリエル・バッソが…
  • 10
    60年前に根絶した「肉食バエ」が再びアメリカに迫る.…
  • 1
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 2
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 3
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引、インサイダー疑惑が市場に波紋
  • 4
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度…
  • 5
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イ…
  • 6
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 7
    オランウータンに「15分間ロックオン」された女性のS…
  • 8
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?..…
  • 9
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反…
  • 10
    年金は何歳からもらうのが得? 男女で違う「最適な受…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 5
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中