ニュース速報

ワールド

米政権、2500億ドルの中小企業追加支援要請 9日可決目指す

2020年04月08日(水)07時42分

トランプ米政権は7日、新型コロナウイルスの感染拡大で苦境に陥っている中小企業に対する追加的な2500億ドルの支援を可決するよう議会に要請した(2019年 ロイター/JONATHAN ERNST)

[ワシントン 7日 ロイター] - トランプ米政権は7日、新型コロナウイルスの感染拡大で苦境に陥っている中小企業に対する2500億ドルの追加支援を可決するよう議会に要請した。上院共和党トップのマコネル院内総務は9日にも可決するよう呼び掛けている。

ムニューシン財務長官は、追加支援策の必要性について議会指導部と協議したとツイッターに投稿した。

議会で承認されれば、3月末に成立した2兆ドル超の新型ウイルス関連経済対策法に盛り込まれた3490億ドルの中小企業向け融資に対する追加的な措置となる。

ムニューシン長官のツイートの直前、マコネル院内総務は声明で「追加策を実施しなければこの重要な支援プログラムが枯渇する恐れがあるため、議会が承認する必要があることが急速に明確になってきた」とし、ムニューシン長官、および野党民主党のシューマー上院院内総務と、9日の承認を目指して協議を進めていく方針を示した。

ただ民主党はより広範な案件を含む新型ウイルス対策第4弾の策定を求めているため、シューマー氏と民主党のペロシ下院議長が9日までの承認というタイムテーブルに合意するかは今のところ不明。

民主党は今後数週間で一連の追加対策を推し進める方針だ。

民主党上院議員は7日、医療従事者のほか、薬局や食料品店、物流など必要不可欠な業務に就き、新型コロナの感染リスクにさらされている人を対象に、最大2万5000ドルの臨時ボーナスを連邦政府が支払う案を示した。救急隊員や医療・在宅医療従事者の採用を促すため1万5000ドルの奨励金を支払う案も盛り込んだ。

ペロシ下院議長は6日、1兆ドルを超える可能性のある追加経済対策を巡り、下院委員会での法案策定作業について下院民主党議員らと協議した。

下院民主党側近が7日明らかにしたところによると、法案には、州・地方政府の新型コロナ対応を支援する「安定化」基金に追加資金を拠出するとともに柔軟性を高める条項が盛り込まれる可能性がある。

失業者急増への対応に追われる労働省や、中小企業向けの融資制度の運営を担う中小企業庁(SBA)への予算増額も盛り込まれるという。

ペロシ氏はCNNのインタビューで、地銀を含む広い範囲の金融機関が融資制度に参加できるようにするとともに、銀行と既存の取引がない企業にも融資が行き届くようにしたいと述べた。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

金総書記、プーチン氏に新年メッセージ 朝ロ同盟を称

ワールド

タイとカンボジアが停戦で合意、72時間 紛争再燃に

ワールド

アングル:求人詐欺で戦場へ、ロシアの戦争に駆り出さ

ワールド

ロシアがキーウを大規模攻撃=ウクライナ当局
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指すのは、真田広之とは「別の道」【独占インタビュー】
  • 3
    【世界を変える「透視」技術】数学の天才が開発...癌や電池の検査、石油探索、セキュリティゲートなど応用範囲は広大
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 6
    中国、米艦攻撃ミサイル能力を強化 米本土と日本が…
  • 7
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 8
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 9
    【クイズ】世界で最も1人当たりの「ワイン消費量」が…
  • 10
    「衣装がしょぼすぎ...」ノーラン監督・最新作の予告…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指すのは、真田広之とは「別の道」【独占インタビュー】
  • 4
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 5
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 6
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 7
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中