ニュース速報

ワールド

ハメネイ師、米に「平手打ち食らわせた」 国民に結束求める

2020年01月18日(土)03時50分

 1月17日、イランの最高指導者ハメネイ師は金曜説教で、イラクの米軍駐留基地に対するイランのミサイル攻撃について触れ、大国の「顔に平手打ち」を浴びせるにあたり神の加護があったことを示していると述べた。写真はイラン・テヘランで8日撮影(2020年 ロイター/Official Khamenei website)

[ドバイ 17日 ロイター] - イランの最高指導者ハメネイ師は17日、8年ぶりとなる金曜説教で、イラクの米軍駐留基地を狙ったミサイル攻撃について触れ、イランは米国の「顔に平手打ちを食らわせた」と述べた。また自国の核プログラムを巡る対立を受けて米国が科した制裁にイランが屈服することはないと強調した。

テヘラン中心部の大型祈祷ホールには数千人が集まり、建物の外にも人があふれ、「アメリカに死を」と叫んだ。

ハメネイ師は「イランが大国にこうした平手打ちを浴びせる力があるという事実は神の手を示している」と指摘。米国が革命防衛隊「コッズ部隊」のソレイマニ司令官を殺害したことについては、米政権の「テロリスト気質」が表れていると述べた。

コッズ部隊は対外工作を取り仕切る重要組織だが、ハメネイ師はソレイマニ氏の活躍は今後も引き継がれるとし、コッズ部隊が「抑圧に苦しむ地域中の国々を守る」と表明した。

またウクライナ民間機の誤爆は悲劇であり、ソレイマニ司令官殺害を目立たなくするために米国やその同盟国が利用した非常に悲しい出来事だと表現。「わが国の敵どもは革命防衛隊や軍部隊を弱体化させるために、言い訳を見つけては喜んでいたのだ」と語り、2月に行われる国会選挙を前に国民に理解と結束を求めた。

イランは当初、ウクライナ機の事故を「技術的トラブル」と説明していたが、その後イラン軍による誤爆であると認めた。これを受け各地で市民らによる大規模な抗議デモが相次いでおり、政府への風当たりが強まっている。

ハメネイ師は、英仏独がイランへの国連制裁の再開につながる紛争解決手続きに踏み切ると発表したことについて、これら欧州3カ国は信用できないとした上で、イランに圧力をかけるための3カ国の行動がうまくいくことはないと主張した。

米国務省のフック・イラン担当特別代表は、イランの脅威は同国のさらなる孤立を招くだけだと警告した。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ブラジルGDP、第3四半期は前期比0.1%増に減速

ワールド

トランプ氏の首都への州兵派遣、高裁が継続容認 地裁

ワールド

米軍「麻薬船」攻撃、生存者殺害巡り民主・共和の評価

ビジネス

アマゾンと米郵政公社、「ラストマイル配送」契約更新
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%しか生き残れなかった
  • 2
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させられる「イスラエルの良心」と「世界で最も倫理的な軍隊」への憂い
  • 3
    高市首相「台湾有事」発言の重大さを分かってほしい
  • 4
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国…
  • 5
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与…
  • 6
    「ロシアは欧州との戦いに備えている」――プーチン発…
  • 7
    ロシアはすでに戦争準備段階――ポーランド軍トップが…
  • 8
    見えないと思った? ウィリアム皇太子夫妻、「車内の…
  • 9
    【トランプ和平案】プーチンに「免罪符」、ウクライ…
  • 10
    【クイズ】日本で2番目に「ホタテの漁獲量」が多い県…
  • 1
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%しか生き残れなかった
  • 4
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 5
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 6
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 7
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 8
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 9
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与…
  • 10
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中