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WTO上級委員の再任を米国が拒否、紛争処理機能まひの恐れ

2018年09月27日(木)12時57分

 9月26日、米国は26日、世界貿易機関(WTO)の紛争処理機関で、最高裁の判事に当たる上級委員会の委員の再任を拒否した。これにより、同委員会が機能不全に陥る可能性が高まった。写真はWTO本部。ジュネーブで2016年6月撮影(2018年 ロイター/Denis Balibouse)

[ジュネーブ 26日 ロイター] - 米国は26日、世界貿易機関(WTO)の紛争処理機関で、最高裁の判事に当たる上級委員会の委員の再任を拒否した。これにより、同委員会が機能不全に陥る可能性が高まった。

WTOの紛争処理には3人の上級委員が必要とされる。委員の定数は7人だが、米国が再任や指名を拒んできたため、現在は4人となっている。

残る4人のうち、9月30日にはモーリシャス出身の委員の任期が切れることから、26日に開かれた紛争処理機関の会合は同委員を再任する最後の機会だった。

米当局者は8月の会合で、同委員の再任を認めない意向を示していたが、一部では委員の手続き見直しなどを提案することで米国の支持が得られるとの期待もあった。

しかし、米当局者は再任をあらためて拒否した上で、「われわれが指摘した制度面の懸念は依然対処されていない」と述べた。

通商当局者は上級委員の欠員について、残る3人のうち、法的な理由で審理への関与を控えなければならない委員が1人でも出た場合、制度は崩壊すると懸念を示している。

ロイター
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