ニュース速報

ワールド

第2四半期のシンガポールGDP、前期比年率+0.6%に下方改定

2018年08月13日(月)12時43分

 8月13日、シンガポール通産省が発表した第2・四半期の国内総生産(GDP)改定値は、季節調整済みで前期比年率0.6%増と、速報値(1.0%増)から下方改定され、市場予想も下回った。写真はシンガポールのビジネス街のビル群と観光客。5月に撮影(2018年 ロイター/Edgar Su)

[シンガポール 13日 ロイター] - シンガポール通産省が発表した第2・四半期の国内総生産(GDP)改定値は、季節調整済みで前期比年率0.6%増と、速報値(1.0%増)から下方改定され、市場予想も下回った。

ロイター調査のアナリスト予想中央値は1.3%増だった。

第2・四半期のGDPは前年比で3.9%増と、速報値の3.8%増から若干の上方改定となったが、予想中央値の4.1%を下回る伸びだった。

通産省は第1・四半期GDPも改定。成長率は前期比で1.5%から2.2%に、前年比で4.3%から4.5%にそれぞれ上方改定された。

同省は米国と主要貿易相手国との報復関税の応酬や世界の金融環境の引き締まりを背景に、「シンガポール経済の拡大ペースは2018年下半期に鈍る見通し」とした。ただ、通年の成長率予想は2.5─3.5%に据え置いた。

シンガポール金融管理局(MAS、中央銀行)のジャクリーン・ロー副長官は13日、記者団に対し「2018年下半期の成長見通し引き下げは予想されたことであり、MASの基礎評価でも考慮されている」と語り、「緩やかなインフレ圧力は継続すると見込まれる。現在の金融政策のスタンスは適切だ」と付け加えた。

副長官はコアインフレ率について、18年の中銀の予想レンジ(1─2%)の上半分になると予想している。

MASは今年4月に6年ぶりに金融政策を引き締めた。

アナリストらはMASの見通しについて、慎重だが10月に追加引き締めが実施される可能性は排除されないと指摘。

OCBCのトレジャリーリサーチ責任者、セリーナ・リン氏はロイターに「第2・四半期の数値の下方改定は幾分期待外れだったが、MASが見解を根本的に変えることはないだろう。依然MASに引き締め余地を与える内容だ」と述べた。

同氏は「下半期に経済が減速したとしても、年3%(の伸び率)はなお保証されているようであり、動揺する内容ではない」としている。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ブラックロック、AI投資で米長期国債に弱気 日本国

ビジネス

OECD、今年の主要国成長見通し上方修正 AI投資

ビジネス

ユーロ圏消費者物価、11月は前年比+2.2%加速 

ワールド

インドのロシア産石油輸入、減少は短期間にとどまる可
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    大気質指数200超え!テヘランのスモッグは「殺人レベル」、最悪の環境危機の原因とは?
  • 2
    「世界一幸せな国」フィンランドの今...ノキアの携帯終了、戦争で観光業打撃、福祉費用が削減へ
  • 3
    トランプ支持率がさらに低迷、保守地盤でも民主党が猛追
  • 4
    【クイズ】1位は北海道で圧倒的...日本で2番目に「カ…
  • 5
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 6
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 7
    若者から中高年まで ── 韓国を襲う「自殺の連鎖」が止…
  • 8
    海底ケーブルを守れ──NATOが導入する新型水中ドロー…
  • 9
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 10
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 3
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 4
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 5
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 6
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 7
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 8
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 9
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 10
    子どもより高齢者を優遇する政府...世代間格差は5倍…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中