ニュース速報
ビジネス

円債の残高減少、外債は為替ヘッジ付き中心に積み増し=明治安田・25年度運用計画

2025年04月21日(月)15時00分

4月21日、明治安田生命保険は2025年度の一般勘定資産運用について、円建て債券は償還が買い入れを上回るとして残高減少を見込む一方、外国債券は為替ヘッジ付きのソブリンとクレジットを中心に積み増す計画を示した。写真は円紙幣。2011年8月撮影(2025年 ロイター/Yuriko Nakao)

Tomo Uetake

[東京 21日 ロイター] - 明治安田生命保険は21日、2025年度の一般勘定資産運用について、円建て債券は償還が買い入れを上回るとして残高減少を見込む一方、外国債券は為替ヘッジ付きのソブリンとクレジットを中心に積み増す計画を示した。

北村乾一郎執行役員・運用企画部長が運用方針説明会で明らかにした。

円金利資産の核となる円建て債券は、金利リスク削減と長期安定的な利配収入確保に向けて、従来通り20年債と30年債を軸とした超長期国債を中心に買い入れる。購入のペース配分は「平準買い」を基本としつつ、金利上昇局面をとらえて追加投資も検討する。ただ償還が買い入れを上回るため、残高は「昨年度の3900億円(簿価ベース)と同程度」減少するという。

日銀の金融政策については、早ければ7月会合での可能性も含めて年度内に2回、さらに26年度にも2回の追加利上げを行い、政策金利が1.5%まで引き上げられるとの想定を置き、国内金利は今後緩やかに上昇するシナリオを描く。

新発30年国債利回りは前営業日(18日)時点で2.7%。北村氏は「絶対水準は当社の負債コスト(1%台後半)をかなり上回って魅力的な水準だが、急がずゆっくりついて行くスタンスだ」と述べ、現時点では特に前のめりになっていないことを示唆。30年金利は年度末にかけて緩やかに上昇し、一時的に3.5%程度まで上昇する局面があるとみている。

同社では経済価値ベースのソルベンシー規制対応での負債と資産のデュレーション・マッチングはほぼ終了しており、「円債は必ず買わなければならないものではなく、グローバル債券の中で円債がトータルリターンでみて有利であれば買う」(北村氏)という。

外国債券のうちソブリン債は、為替の見通しやヘッジコストに留意しつつ、利回りの高い国を中心にヘッジ付きで積み増す一方、オープンでの投資も超過収益獲得のため通貨を分散しつつ残高をやや増やす方針。またヘッジ付きクレジット外債については、スプレッドの取れる米国の高格付け銘柄を中心に、インハウス運用で積み増す。その結果、外債の残高は「昨年度の1600億円(簿価ベース)と同程度」増加する見込み。

外国投信がメインとなる外国株式は、自社ニューヨーク拠点を活用してプライベート・エクイティやプライベート・デットを中心に積み増す計画。一方、国内株式については、トータルリターンの向上に向けた銘柄入れ替えを実施するが、残高は減少を見込む。

このほか投資用不動産は、市況を見極めながら大都市圏を中心に優良物件を積み上げ、残高を増やす。

明治安田生命の一般勘定の資産残高は、12月末時点で46兆5228億円。うち外貨建て資産は15兆2472億円(32.8%)。

25年度の相場見通し(レンジと年度末中央値)は以下の通り。

日本国債10年物利回り 0.80%─1.55%(中央値1.30%)

米10年国債利回り   3.40%─4.90%(同4.00%)

日経平均株価      2万8000─3万8000円(同3万2000円)

米ダウ         3万5000─4万2000ドル(同3万8000ドル)

ドル/円        138─158円(同145円)

ユーロ/円       141─163円(同145円)

(植竹知子)

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

豪総選挙は与党が勝利、反トランプ追い風 首相続投は

ビジネス

バークシャー第1四半期、現金保有は過去最高 山火事

ビジネス

バフェット氏、トランプ関税批判 日本の5大商社株「

ビジネス

バフェット氏、バークシャーCEOを年末に退任 後任
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得る? JAXA宇宙研・藤本正樹所長にとことん聞いてみた
  • 2
    古代の遺跡で「動物と一緒に埋葬」された人骨を発見...「ペットとの温かい絆」とは言えない事情が
  • 3
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1位はアメリカ、2位は意外にも
  • 4
    野球ボールより大きい...中国の病院を訪れた女性、「…
  • 5
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 6
    インドとパキスタンの戦力比と核使用の危険度
  • 7
    「2025年7月5日天体衝突説」拡散で意識に変化? JAX…
  • 8
    「すごく変な臭い」「顔がある」道端で発見した「謎…
  • 9
    なぜ運動で寿命が延びるのか?...ホルミシスと「タン…
  • 10
    海に「大量のマイクロプラスチック」が存在すること…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得る? JAXA宇宙研・藤本正樹所長にとことん聞いてみた
  • 4
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 8
    古代の遺跡で「動物と一緒に埋葬」された人骨を発見.…
  • 9
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が…
  • 10
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 10
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中