ニュース速報
ビジネス

日産の今期800億円の最終赤字、リストラ費用1000億円 3工場閉鎖へ

2025年02月13日(木)22時45分

 2月13日、日産自動車は、2025年3月期の連結純損益が800億円の赤字になる見通しと発表した。写真は、記者会見に臨む内田誠CEO。同日、同社の横浜本社で撮影(2025年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

Maki Shiraki

[横浜市 13日 ロイター] - 日産自動車は13日、2025年3月期の連結純損益が800億円の赤字になる見通しと発表した。9000人の削減などを公表した昨年11月の決算発表時に予想を撤回していたが、今回はリストラ費用約1000億円を織り込んだ。IBESがまとめたアナリスト10人の予想平均は960億円の赤字だった。前期は4266億円の黒字だった。

今期の連結営業利益見通しは1500億円から1200億円(前期比78.9%減)に下方修正した。アナリスト16人の予想平均1446億円を下回った。販売台数の予想は340万台のまま据え置いたが、主力の米国で販売が落ち込む中、値下げ原資となる販売奨励金が膨らむ。

24年4─12月期の連結業績は、営業利益が前年同期比86.6%減の640億円、純利益が同98.4%減の51億円だった。自動車事業の手元資金は12月末時点で2兆0233億円、未使用の融資枠は1兆7759億円。

<世界で3工場閉鎖へ>

同社はこの日、昨年11月に発表した人員9000人、生産能力2割を削減する再生計画の詳細を公表した。固定費と変動費合わせて4000億円減らし、自動車事業の損益分岐点を26年度までに310万台から250万台レベルに引き下げる。営業利益率4%を安定的に確保する体制を目指す。

固定費は販売管理費で2000億円、生産拠点の再編で1000億円、商品開発の効率化で300億円の削減を見込む。世界で間接従業員2500人を削減し、工場でも26年度までに6500人削減する。米テネシー州のスマーナとミシシッピ州のキャントン、タイの工場で生産ラインの統合やシフトの調整、配置転換などを進める。

生産能力削減については、当初シフト調整などの対応にとどめていたが、新たに工場を閉鎖する計画も公表した。25年4━6月期に2つあるタイ完成車工場のうち第1工場を、同年10月から27年3月にかけて、その他2工場を閉鎖する。1カ月以内に追加リストラ策の詳細を発表する。

日産は同日、昨年12月末からホンダと進めてきた経営統合協議の打ち切りを決定。「自社の企業価値を大きく高めることが可能な戦略的パートナーシップの機会を追求する」としている。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米ウクライナ首脳、日本時間29日未明に会談 和平巡

ワールド

訂正-カナダ首相、対ウクライナ25億加ドル追加支援

ワールド

ナイジェリア空爆、クリスマスの実行指示とトランプ氏

ビジネス

中国工業部門利益、1年ぶり大幅減 11月13.1%
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指すのは、真田広之とは「別の道」【独占インタビュー】
  • 3
    【世界を変える「透視」技術】数学の天才が開発...癌や電池の検査、石油探索、セキュリティゲートなど応用範囲は広大
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 6
    中国、米艦攻撃ミサイル能力を強化 米本土と日本が…
  • 7
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 8
    【銘柄】子会社が起訴された東京エレクトロン...それ…
  • 9
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 10
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 6
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 7
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中