ニュース速報
ビジネス

欧州の金融機関、トランプ政権2期目での競争激化に備え

2024年11月09日(土)03時55分

トランプ前米大統領の2期目就任後に金融規制が緩和されるとみられる中、米国の金融機関に収益力で遅れを取る欧州の銀行はさらに厳しい課題に直面している。ロンドン金融街で2023年5月撮影(2024年 ロイター/Henry Nicholls)

[ロンドン 8日 ロイター] - トランプ前米大統領の2期目就任後に金融規制が緩和されるとみられる中、米国の金融機関に収益力で遅れを取る欧州の銀行はさらに厳しい課題に直面している。

ユーロ圏と英国の銀行は2008─09年の世界金融危機以来、低調な収益性や景気低迷に苦しんできた。一方、米国の競合は評価額を高め、投資銀行業務などで市場シェアを奪っている。

2010年始め以来、欧州の銀行株は約10%下落しているのに対し、米国の銀行株は3倍以上となっている。

欧州の一部の銀行は今年、失地回復の兆しを見せ始めていた。今週まで、欧州の銀行株は米国のダウ銀行株指数より好調で、米国で国際的な銀行資本規制「バーゼル3」の一部が採用され、競争条件の平準化につながるという期待が高まっていた。

しかし、トランプ氏の返り咲きが決まり、状況は一変。JPモルガン・チェース、ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレーの株価は急伸。一方、STOXX欧州600種銀行株指数は今週1%以上下げている。

欧州を基盤とする金融関係者は「米国の規制緩和と減税への期待は、欧州の厳しい監督と金利低下に伴う苦境とは対照的だ」との見方を示した。

欧州ではトランプ氏2期目に備えた兆候がみられる。スイスのケラーズッター財務相は、英国のリーブス財務相と米国の銀行規制の見通しについて協議したことを明らかにした。

ケラーズッター氏はロイターに対し「米国では規制緩和の波が押し寄せるとあらかじめ言われていた」とした上で、競争力と安定性のバランスを取ることが重要だという点で両財務相が同意したと言及した。

ある銀行幹部はロイターに、米国での規制緩和の波を受け、欧州でも規制緩和を求めるロビー活動の機運が高まるだろうと語った。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

イタリア、ガザ警察訓練支援の用意 「平和評議会」に

ビジネス

豪BHP、上半期利益が22%増 銅・鉄鉱石など好調

ワールド

豪中銀、2月利上げ後の金利見通し不透明=議事要旨

ビジネス

インド、1月のモノの貿易赤字は346.8億ドル 3
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
2026年2月24日号(2/17発売)

帰還兵の暴力、ドローンの攻撃、止まらないインフレ。国民は疲弊しプーチンの足元も揺らぐ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「目のやり場に困る...」アカデミー会場を席巻したスーツドレスの「開放的すぎる」着こなしとは?
  • 2
    オートミール中心の食事がメタボ解消の特効薬に
  • 3
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワートレーニング」が失速する理由
  • 4
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 5
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 6
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」で…
  • 7
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
  • 8
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 9
    フロリダのディズニーを敬遠する動きが拡大、なぜ? …
  • 10
    アメリカが警告を発する「チクングニアウイルス」と…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 5
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
  • 6
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」で…
  • 7
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 8
    がんは何を食べて生き延びるのか?...「ブドウ糖」の…
  • 9
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワ…
  • 10
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 8
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中