世銀、今年のタイ成長見通しを3.9％に引き上げ 観光客が回帰

世界銀行は２８日、今年のタイ経済は個人消費の伸びと観光業の回復に助けられて３．９％成長するとし、前回予想の３．６％から見通しを引き上げた。バンコクの国際空港で１月撮影。（２０２３年　ロイター/Athit Perawongmetha/File Photo）

[バンコク ２８日 ロイター] - 世界銀行は２８日、今年のタイ経済は個人消費の伸びと観光業の回復に助けられて３．９％成長するとし、前回予想の３．６％から見通しを引き上げた。

東南アジア第２位の経済大国であるタイは、新型コロナウイルス関連の旅行規制の緩和で観光業が回復し始めた昨年には２．６％成長した。

世銀は、２０２４年には３．６％、２５年には３．４％の成長が見込まれると予想。外需が弱まる中、観光と個人消費が引き続き成長の主な原動力になるとした。

特に中国からの観光客が戻り、観光業の見通しを明るくしている。今年の入国者数は予想を上回る２８５０万人に達し、パンデミック前の２０１９年の８４％まで回復すると予測されている。

だが世銀は、予想を下回る世界経済の成長率と政治的な不確実性が短期の成長見通しに対する主要な課題で、下振れリスクは依然として残っていると指摘した。

タイでは５月の総選挙後、勝利した前進党が連立政権の樹立に動いているが、同党党首が首相に選ばれるだけの支持を得ているかどうかは不明だ。