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バイナンスCEO、顧客資産110億ドル受領 トンネル会社経由で

暗号資産(仮想通貨)交換業最大手バイナンスの趙長鵬最高経営責任者(CEO)の支配下で、英バージン諸島に拠点を置く貿易会社メリット・ピークが、バイナンスの顧客資産約110億ドルを、顧客預金受け取りのためにインド洋の島国セーシェルで設立された企業を通じて受け取っていたことが分かった。写真は趙氏。2022年6月、フランスのパリで撮影(2023年 ロイター/Benoit Tessier)
[ロンドン 7日 ロイター] - 暗号資産(仮想通貨)交換業最大手バイナンスの趙長鵬最高経営責任者(CEO)の支配下で、英バージン諸島に拠点を置く貿易会社メリット・ピークが、バイナンスの顧客資産約110億ドルを、顧客預金受け取りのためにインド洋の島国セーシェルで設立された企業を通じて受け取っていたことが分かった。米証券取引委員会(SEC)が6日に米裁判所に提出した書類で判明した。
SECは5日、違法行為の疑いでバイナンスと趙氏を提訴。6日にはバイナンスの米国資産の凍結を裁判所に求めた。
SECは13件の提訴で、バイナンスと趙CEOが、メリット・ピークと、趙氏が支配する別の貿易会社シグマ・チェーンを用いて、企業の資金と顧客資産をどんぶり勘定にして「好きなように」使っていたと主張。顧客資産がリスクにさらされたとしている。
6日のSECの提出書類によると、メリット・ピークが2019─21年に受け取った資金計220億ドルは、大半がバイナンスとその米関連会社のものだった。
このうち110億ドルはセーシェルを拠点とする、やはり趙氏の支配下にある企業キー・ビジョン・デベロップメントから送られた。
ロイターは5月に、キー・ビジョンとメリット・ピーク、さらにはバイナンスの持ち株会社バイナンス・ホールディングスが、バイナンスの金融ネットワークの中核を形成していたと報じた。