ニュース速報

ビジネス

米ISM非製造業指数、11月は予想外に上昇 雇用が改善

2022年12月06日(火)03時36分

米供給管理協会(ISM)が5表した11月の非製造業総合指数(NMI)は56.5と、予想外に上昇した。昨年3月、ヒューストンで撮影(2022年 ロイター/Callaghan O'Hare/File Photo)

[ワシントン 5日 ロイター] - 米供給管理協会(ISM)が5日発表した11月の非製造業総合指数(NMI)は56.5と、予想外に上昇した。内訳の雇用も改善し、来年に景気後退が懸念される中でも米経済の基調的な勢いを示した。

ロイターのまとめたアナリスト予想は53.3。

10月は2020年5月以来、約2年半ぶりの低い水準となる54.4だった。

50を超える数値は、米経済の3分の2超を占めるサービス業の拡大を示す。

堅調な指標によって、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ継続リスクが高まる可能性がある。BMOキャピタル・マーケッツのエコノミスト、プリシラ・ティアガモアティ氏は「成長見通しには朗報だが、需要を抑制しインフレに対応しようとしているFRBにとっては芳しくない内容」と述べた。

キャピタル・エコノミクスのエコノミスト、アンドリュー・ハンター氏は「第4・四半期の経済活動の伸びを示唆する個人消費のデータと一致している。しかし、金利の上昇がより大きな打撃を与え始めるため、この回復力は来年には弱まるだろう」と述べた。

11月は、建設業、医療・社会福祉業、小売業、専門・科学・技術サービスなど13業種が伸びを示した。一方、情報産業や卸売業などでは減少した。

「新規事業の受注は堅調」(建設業)、「優秀な人材に対する需要は依然として高い」(専門・科学・技術サービス業)、「安定している」(小売業)など、事業者からの報告はかなり明るいものだった。

一方、運送・倉庫業では人材の確保が依然として課題となっている。

新規受注指数は56.0と、前月の56.5から低下。輸出の急減が報告されており、世界経済の減速とドル高が響いた可能性が高い。

一方、雇用指数は51.5と、10月の49.1から改善。ただ、受注の減速が重しとなり、雇用指数の今後の伸びは限定的となる公算が大きい。

支払い価格指数は70.0と、前月の70.7から低下。供給の改善継続を反映した。

供給業者の納入を示す指数も53.8と、前月の56.2から低下した。50を超えると納入が遅くなることを示す。

堅調な一連のデータを受けて、2023年に広く予想されている景気後退は短く、それほど厳しくないものになるとの楽観的な見方が広がっている。一部のエコノミストからは、成長率は急激に低下するものの景気後退は避けられるとの見方も聞かれた。

ロイター
Copyright (C) 2022 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ベネズエラの変革は武力以外の方法で、ローマ教皇が米

ビジネス

財政の持続可能性に配慮しつつ、戦略的に財政出動を行

ビジネス

中国サービス部門の民間PMI、11月は5カ月ぶり低

ビジネス

米半導体マーベル、同業セレスティアルAIを買収
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    大気質指数200超え!テヘランのスモッグは「殺人レベル」、最悪の環境危機の原因とは?
  • 2
    トランプ支持率がさらに低迷、保守地盤でも民主党が猛追
  • 3
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇気」
  • 4
    若者から中高年まで ── 韓国を襲う「自殺の連鎖」が止…
  • 5
    コンセントが足りない!...パナソニックが「四隅配置…
  • 6
    海底ケーブルを守れ──NATOが導入する新型水中ドロー…
  • 7
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 8
    「世界一幸せな国」フィンランドの今...ノキアの携帯…
  • 9
    22歳女教師、13歳の生徒に「わいせつコンテンツ」送…
  • 10
    もう無茶苦茶...トランプ政権下で行われた「シャーロ…
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 3
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 4
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 5
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 8
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 9
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 10
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 4
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中