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中国の8月不動産投資・販売減少、住宅価格下落

2022年09月16日(金)15時58分

中国国家統計局が16日発表したデータに基づきロイターが算出した8月の中国新築住宅価格は、前月比0.3%下落し、2021年11月以来の大幅な下落となった。写真は100人民元札、2016年3月撮影(2022年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[北京 16日 ロイター] - 中国国家統計局が16日発表したデータによると、8月の不動産部門は投資・販売が減少し、住宅価格が下落するなど落ち込みが深まった。住宅ローンの返済拒否やロックダウン(都市封鎖)、景気の減速により信頼感が低下した。

統計局のデータに基づきロイターが算出した8月の中国新築住宅価格は、前月比0.3%下落し、2021年11月以来の大幅な下落となった。物件の引き渡しが遅れており、中小都市で需要が低迷した。7月と6月は前月比変わらずだった。

前年比では1.3%下落し、15年8月以来の大幅な落ち込み。4カ月連続の下落となった。長期にわたって住宅購入が手控えられていることが浮き彫りとなった。7月は前年比0.9%下落だった。

不動産仲介センタラインのチーフアナリスト、Zhang Dawei氏は「不動産部門は底に近づいているが、依然として底を探る動きが続いている。政策が相次いで緩和されているにもかかわらずだ」と指摘。当局が市場の安定化と住宅購入者の信頼回復に向けて1級都市と2級都市で近く追加の対策を打ち出すと予想した。

<不動産販売も低迷>

一方、8月の不動産販売は13カ月連続で減少した。

統計局のデータに基づきロイターが算出した8月の不動産販売(床面積ベース)は前年比22.58%減。2桁の減少は6カ月連続。

1─8月の不動産販売(床面積ベース)は前年同期比23.0%減少した。1─7月は23.1%減だった。

需要が減少したほか、6月下旬から全国で住宅ローンの返済を拒否する動きが広がり信頼感が低下している。

野村のリサーチノートによると、13日時点で51都市が全面的または部分的なロックダウンなどの新型コロナウイルス対策を実施している。中国の国内総生産(GDP)の26.1%を占めるという。

<未完成プロジェクト>

70都市中、8月に前月比で住宅価格が下落したのは50都市。7月の40都市から増加した。全国で未完成プロジェクトが増えていることが心理を圧迫する要因となっている。

2級都市の住宅価格は0.2%低下、3級都市は0.4%低下。

INGのリージョナルリサーチ責任者、ロバート・カーネル氏は「地方政府のデベロッパー支援を受けて未完成の不動産建設プロジェクトが完成し、国内世帯がそれに応じて再び不動産投資を検討するまでには、しばらく時間がかかるだろう」と指摘した。

8月の不動産投資と新規着工も減少。多くのデベロッパーが新規のプロジェクトより負債の圧縮を依然重視していることが浮き彫りとなった。

8月の不動産投資は前年比13.8%減。7月は12.3%減だった。

1─8月の不動産投資は前年比7.4%減少した。マイナス幅は1─7月の6.4%から拡大し20年1─3月以来の大きさとなった。

8月の新規着工(床面積ベース)は前年比45.7%減と、約10年ぶりの大幅減。7月は45.4%減だった。

人民元安もデベロッパーを圧迫する要因となっている。デベロッパーはドル建て債の国内最大の発行体。元安が進行すれば、借り換えコストが上昇することになる。

ロイター
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