ニュース速報

ビジネス

バイデン氏、EV関連予算の重要性訴え 「中国に出遅れ」

2021年05月19日(水)07時50分

バイデン米大統領はミシガン州にある自動車大手フォード・モーターの電気自動車工場を視察し、自身が掲げる1740億ドル規模の関連予算の重要性を訴えた。写真は5月18日、ミシガン州のフォード施設で試乗するバイデン大統領(2021年 ロイター/Leah Millis)

[ディアボーン(米ミシガン州)/ワシントン 18日 ロイター] - バイデン米大統領は18日、ミシガン州にある自動車大手フォード・モーターの電気自動車(EV)工場を視察した。自身が掲げる1740億ドル規模の関連予算の重要性を訴え、米消費者向けの排出ゼロ車を国内で生産するようメーカーに求めた。

「われわれはEVの新しいペースを作り上げる」とした上で、2兆3000億ドル規模の野心的な雇用・インフラ投資法案の成立を目指すとともに、トランプ前政権が「近視眼的」に進めた自動車排ガス規制の後退を覆すと約束した。

また、米国はEV分野で中国の後塵を拝しており、「未来への競争をリードするのか、それとも遅れをとるかの岐路に立っている。それはEVとそれに搭載するバッテリーを米国内で製造するのか、それとも他国に依存するのかということだ」と語った。

「自動車メーカーや他の企業は米国に投資し続ける必要がある。米公共投資の恩恵を利用して海外でEVやバッテリー生産を拡大すべきではない」と訴えた。

全米自動車労組(UAW)は、ゼネラル・モーターズ(GM)がEV生産向けにメキシコで10億ドルの投資を発表したことや、フォードが一部EVをオハイオ州ではなくメキシコで生産すると決定したことを批判している。

GMは、米国内のEV・バッテリー生産設備に対する90億ドルの投資や約9000人の新規雇用を最近発表したとしている。フォードのビル・フォード会長は18日のイベントで「(バイデン大統領は)この国でモノづくりをする重要性を理解している」とした上で、フォードは他の自動車メーカーより多くのUAW労働者を雇用していると述べた。

フォードはベストセラーの「F―150」ピックアップトラックのEV版を発表する予定で、米国が内燃エンジン車からEVに移行する上で鍵になると位置付けられている。

ホワイトハウスのファクトシートによると、バイデン氏は高級EVモデルを対象とした購入補助は行わない方針。

ホワイトハウスは、国内のEV増産の鍵となるバッテリー生産設備の新設を促したい考えだ。

バイデン氏の計画では「国内の大規模バッテリー設備新設を支援する費用分担のための補助金」や、閉鎖された工場の設備を一新し「先端車両や部品を生産」する際の補助金を提案している。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米肥満薬開発メッツェラ、ファイザーの100億ドル買

ワールド

米最高裁、「フードスタンプ」全額支給命令を一時差し

ワールド

アングル:国連気候会議30年、地球温暖化対策は道半

ワールド

ポートランド州兵派遣は違法、米連邦地裁が判断 政権
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2人の若者...最悪の勘違いと、残酷すぎた結末
  • 3
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統領にキスを迫る男性を捉えた「衝撃映像」に広がる波紋
  • 4
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 7
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 8
    【銘柄】元・東芝のキオクシアHD...生成AIで急上昇し…
  • 9
    なぜユダヤ系住民の約半数まで、マムダニ氏を支持し…
  • 10
    長時間フライトでこれは地獄...前に座る女性の「あり…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 5
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 6
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 7
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 8
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 9
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 10
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中