ニュース速報

ビジネス

独鉱工業受注、内需好調で+3.0% 部品不足一部緩和の可能性

2021年05月06日(木)20時23分

ドイツ連邦統計庁が6日に発表した3月の鉱工業受注指数は、季節調整済みベースで前月比3.0%上昇した。ヤンデルスブルンの工場で3月撮影。(2021年 ロイター/Andreas Gebert)

[ベルリン 6日 ロイター] - ドイツ連邦統計庁が6日に発表した3月の鉱工業受注指数は、季節調整済みベースで前月比3.0%上昇した。消費財への国内需要が好調で、伸び率はロイターがまとめた市場予想(1.7%)を大幅に上回った。

2月は1.4%上昇に上方修正された。1月は0.8%上昇した。

3月は国内受注が前月比4.9%増。海外受注は同1.6%増だった。3月の国内受注は、大規模契約の件数が異例に多く、こうした大口案件の影響を除外すると1.6%増となる。

消費財の受注は8.5%増で、全体をけん引した。

中間財は2.8%増、資本財は2.5%増だった。

バンクハウス・ランペのアレクサンダー・クルーガー氏は「ドイツの工業品は受注が途絶えることはなかったが、今回は大型受注も大きく寄与した」と指摘。「受注の処理よりも受注ペースのほうが速いことが、引き続きジレンマだ」とし、自動車メーカーはサプライチェーンの問題で減産していると指摘した。

分野別では、機械工学、データ処理装置、電子・光学製品の受注が特に多かった。

同庁によると、鉱工業部門の販売は実質ベース(営業日数調整後)で前月比2%増加しており、半導体など部品不足が一部緩和した可能性がある。

VPバンクのトーマス・ギッツェル氏は、受注の増加傾向が続いており、これが今後の景気回復の盤石な基盤になると指摘。「当面は原材料不足で生産が遅れるだろうが、十分な量の原材料が再び確保できるようになれば、強力な巻き返しが期待できる」と述べた。

ドイツ政府は先週、今年の経済成長率予想を3%から3.5%に引き上げた。

ただ、ドイツ連邦銀行(中央銀行)のチーフエコノミスト、イェンス・ウルリヒ氏は先月30日、ロイターに対し、国内産業における半導体供給の問題は第2・四半期に悪化し、今年の独経済の回復に影響すると語った。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米国向け銅輸出加速へ 関税前に駆け込み=ゴールドマ

ビジネス

アングル:トランプ政権「投資誘致」の実態、バイデン

ワールド

リトアニアとフィンランド、対人地雷生産へ ウクライ

ビジネス

テマセク、運用資産が過去最高 米国リスクは峠越えた
MAGAZINE
特集:大森元貴「言葉の力」
特集:大森元貴「言葉の力」
2025年7月15日号(7/ 8発売)

時代を映すアーティスト・大森元貴の「言葉の力」の源泉にロングインタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...APB「乗っ取り」騒動、日本に欠けていたものは?
  • 2
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 3
    「ヒラリーに似すぎ」なトランプ像...ディズニー・ワールドの大統領人形が遂に「作り直し」に、比較写真にSNS爆笑
  • 4
    トランプ関税と財政の無茶ぶりに投資家もうんざり、…
  • 5
    犯罪者に狙われる家の「共通点」とは? 広域強盗事…
  • 6
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 7
    自由都市・香港から抗議の声が消えた...入港した中国…
  • 8
    名古屋が中国からのフェンタニル密輸の中継拠点に?…
  • 9
    人種から体型、言語まで...実は『ハリー・ポッター』…
  • 10
    「けしからん」の応酬が参政党躍進の主因に? 既成…
  • 1
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 2
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコに1400万人が注目
  • 3
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸せ映像に「それどころじゃない光景」が映り込んでしまう
  • 4
    職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳…
  • 5
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...AP…
  • 6
    【クイズ】「宗教を捨てる人」が最も多い宗教はどれ?
  • 7
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、…
  • 8
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 9
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 10
    「本物の強さは、股関節と脚に宿る」...伝説の「元囚…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 4
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 5
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 6
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 7
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 8
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 9
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中