ニュース速報

ビジネス

ドル高、大統領選とコロナ感染巡る懸念で安全買い=NY市場

2020年10月31日(土)06時18分

10月30日、ニューヨーク外為市場では米大統領選を4日後に控えドルに安全買いが入った。世界的に新型コロナウイルス感染拡大に歯止めがかかっていないことも、安全通貨としてのドルの需要押し上げにつながっている。写真は2018年8月、アルゼンチンで撮影(2020年 ロイター/Marcos Brindicci)

[ニューヨーク 30日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、米大統領選を4日後に控えドルに安全買いが入った。世界的に新型コロナウイルス感染拡大に歯止めがかかっていないことも、安全通貨としてのドルの需要押し上げにつながっている。

欧州ではドイツとフランスのほか、スペインの一部で感染拡大抑制に向けたロックダウン(都市封鎖)を実施。米国でも感染拡大が続き、累計感染者数は30日時点で900万人に達した。人口の約3%が感染した計算になる。こうした中、来週の米大統領選の結果が紛糾する恐れも相まってドルの安全需要が増大した。

終盤の取引で主要6通貨に対するドル指数<=USD>は0.2%高の94.035。週初からの上昇率は1.4%と、約1カ月ぶりの大きさとなった。

BMOキャピタル・マーケッツ(ニューヨーク)のグローバル外為戦略部門責任者、グレッグ・アンダーソン氏は「大統領選の日程は以前から分かっていたものの、ここに来て選挙に関連した揺れが出ている」と指摘。「ポジション確定をぎりぎりまで控える動きが一部で見られ、これがユーロ/ドルに若干反映された」と述べた。

マネックス・ヨーロッパの市場分析部門責任者、ランコ・ベリッチ氏は、米大統領選で民主党候補のバイデン前副大統領が勝利すれば新型ウイルス感染拡大への適切な対応が期待できることから、マクロ経済見通しは改善すると予想。バイデン氏の勝利はドルの若干の支援要因になるとの見方を示した。

ユーロは対ドルで0.3%安の1.1643ドル。一時は1.1640ドルと、4週間ぶり安値を付けた。欧州中央銀行(ECB)が29日の理事会で12月に追加対策を講じる可能性を示唆したことが引き続きユーロの圧迫要因となっている。

ドルは対円でほぼ横ばいの104.66円。中国人民元に対してはオフショア取引で0.2%安の6.6945元。

米商務省が朝方発表した9月の個人消費支出(季節調整済み)は前月比1.4%増と、8月の1%増から加速。ただ、為替相場にほとんど影響はなかった。

ドル/円 NY終値 104.64/104.67

始値 104.41

高値 104.73

安値 104.39

ユーロ/ドル NY終値 1.1647/1.1651

始値 1.1671

高値 1.1704

安値 1.1641

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

FRB、0.25%の利下げ決定 昨年12月以来6会

ビジネス

FRB独立性侵害なら「深刻な影響」、独連銀総裁が警

ワールド

核問題巡り平行線、イランと欧州3カ国が外相協議

ビジネス

ユーチューブ、メディア収益でディズニー超えへ AI
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、日本では定番商品「天国のようなアレ」を販売へ
  • 2
    中国は「アメリカなしでも繁栄できる」と豪語するが...最新経済統計が示す、中国の「虚勢」の実態
  • 3
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェイン・ジョンソンの、あまりの「激やせぶり」にネット騒然
  • 4
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ…
  • 5
    【クイズ】世界で最も「リラックスできる都市」が発…
  • 6
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 7
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 8
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 9
    中国山東省の住民が、「軍のミサイルが謎の物体を撃…
  • 10
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍…
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 3
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサイルが命中、米政府「機密扱い」の衝撃映像が公開に
  • 4
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 5
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 6
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 7
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    「なんて無駄」「空飛ぶ宮殿...」パリス・ヒルトン、…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中