ニュース速報

ビジネス

米ADP民間雇用、7月は16.7万人増に急鈍化 回復早くも息切れか

2020年08月06日(木)01時28分

企業向け給与計算サービスのオートマチック・データ・プロセッシング(ADP)とムーディーズ・アナリティクスが5日発表した7月の全米雇用報告は、民間部門雇用者数の伸びが16万7000人と、前月の431万4000人から急鈍化した。写真はケンタッキー州フランクフォートで失業保険申請に並ぶ市民ら。6月撮影(2020年 ロイター/BRYAN WOOLSTON)

[ワシントン 5日 ロイター] - 企業向け給与計算サービスのオートマチック・データ・プロセッシング(ADP)とムーディーズ・アナリティクスが5日発表した7月の全米雇用報告は、民間部門雇用者数の伸びが16万7000人と、前月の431万4000人から急鈍化した。市場予想の150万人も大幅に割り込み、景気回復が早くも息切れしている兆候を示した。

従業員50─499人規模の企業の雇用は2万5000人減少した。

ムーディーズ・アナリティックスのチーフエコノミスト、マーク・ザンディ氏は「新型コロナワクチンが完成するまで労働市場のさらなる回復は見込めないことが、今回の統計からうかがえる」と指摘。急減速の理由としては、政府の中小企業支援制度(給与保障プログラム、PPP)の失効やコロナ感染の急増が挙げられるとした。

オックスフォード・エコノミクスの米国担当チーフエコノミスト、オーレン・クラフキン氏は、「新型コロナのワクチンや治療法が手に入らない限り、経済は再び下降するリスクを抱えたままだろう」と述べた。

コロナ感染は、特に人口密度の高い南部や西部の地域で爆発的に増加しており、当該地域では営業の再停止や経済再開の一時中止を余儀なくされている。

カリフォルニア州、テキサス州、フロリダ州は全米の雇用の3分の1を占める。第2・四半期の米実質国内総生産(GDP)速報値は年率換算で前期比32.9%減と、過去最大の落ち込みを記録した。

ロイター調査によると、7日に発表される7月の雇用統計は、非農業部門の雇用者数が160万人、民間部門の雇用者数が約148万人、それぞれ増加すると予想されている。失業率は10.5%に改善する見通し。

JPモルガンのエコノミスト、ダニエル・シルバー氏は「ADPの雇用報告は、経済が力強く伸びた後、ここ数週間で勢いを失っているというわれわれの見方を裏付けている」と述べた。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

日米が共同飛行訓練、10日に日本海で 米軍のB52

ワールド

「トランプ・ゴールドカード」正式始動、100万ドル

ビジネス

伊当局、スウォッチとシチズンを調査 価格競争制限の

ワールド

豪11月就業者数は予想外の減少、9カ月ぶりマイナス
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア空軍の専門家。NATO軍のプロフェッショナルな対応と大違い
  • 2
    トランプの面目丸つぶれ...タイ・カンボジアで戦線拡大、そもそもの「停戦合意」の効果にも疑問符
  • 3
    「何これ」「気持ち悪い」ソファの下で繁殖する「謎の物体」の姿にSNS震撼...驚くべき「正体」とは?
  • 4
    死者は900人超、被災者は数百万人...アジア各地を襲…
  • 5
    【クイズ】アジアで唯一...「世界の観光都市ランキン…
  • 6
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 7
    「正直すぎる」「私もそうだった...」初めて牡蠣を食…
  • 8
    「安全装置は全て破壊されていた...」監視役を失った…
  • 9
    イギリスは「監視」、日本は「記録」...防犯カメラの…
  • 10
    「韓国のアマゾン」クーパン、国民の6割相当の大規模情…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 7
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 8
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 9
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 10
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中