ニュース速報

ビジネス

アルゼンチン、債務再編交渉期限を6月12日まで延長 提案の再修正も

2020年06月02日(火)10時12分

 アルゼンチン政府は6月1日、約650億ドルの債務再編を巡る債権者との交渉期限を6月12日まで延長すると発表した。交渉期限は2日に設定されていた。写真は100ペソ紙幣、2019年9月3日撮影(2020年 ロイター/Agustin Marcarian)

[ブエノスアイレス/ニューヨーク 1日 ロイター] - アルゼンチン政府は1日、約650億ドルの債務再編を巡る債権者との交渉期限を6月12日まで延長すると発表した。交渉期限は2日に設定されていた。

政府は声明で、「債務の持続性に関する目標を犠牲にすることなく投資家への支援を最大化する」ため、再編案の「追加調整」を検討しているとし、先月28日に発表したばかりの再編案よりも投資家に一段と譲歩する可能性を示した。[nL4N2DB0VW]

アルゼンチンのグスマン経済相は「再編案の最終調整に取り組んでいるが、調整の余地は少ない」と指摘し、修正後、最終合意をまとめる時間を確保するために交渉期限を再び延長する考えを示した。

一方、国際通貨基金(IMF)は1日、直近の再編案はアルゼンチンによる持続可能な債務管理を可能にするとして支持を表明し、改善の余地はほとんどないとした。

「民間債権者への支払いを増やすと同時に債務および債務返済の目標を達成するための余地は限られている」とした。

資産運用大手ブラックロックなどで構成する債権者グループは文書で、アルゼンチン政府が意見の隔たりを埋める役割を果たすべきだと主張。

アルゼンチンによる2001年のデフォルト(債務不履行)に関連して再編された債務を保有する別の債権者グループの法務アドバイザーは、「債券保有者はアルゼンチンに持続可能な提案をするためにかなりの柔軟性を示してきた」と強調。「残る意見の隔たりを真に解消したいとアルゼンチンが態度で示すかどうかが鍵となる」とした。

店頭取引でアルゼンチン国債価格は1日、1%上昇。前営業日の5月29日も3.5%高となっていた。債権者側は額面1ドルに対し0.50ドル以上が支払われる内容の合意を求めているが、政府の提案で支払われるのは約0.45ドルにとどまる。

エコノミストらは、政府が0.50ドルまで譲歩する可能性があるとしている。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国、米国の台湾への武器売却を批判 「戦争の脅威加

ビジネス

11月ショッピングセンター売上高は前年比6.2%増

ビジネス

中国の海外ブランド携帯電話出荷台数、11月は128

ワールド

日経平均は小反発、クリスマスで薄商い 売買代金は今
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 2
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足度100%の作品も、アジア作品が大躍進
  • 3
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...どこでも魚を養殖できる岡山理科大学の好適環境水
  • 4
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者…
  • 5
    ジョンベネ・ラムジー殺害事件に新展開 父「これま…
  • 6
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 7
    ノルウェーの海岸で金属探知機が掘り当てた、1200年…
  • 8
    ゴキブリが大量発生、カニやロブスターが減少...観測…
  • 9
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 10
    「時代劇を頼む」と言われた...岡田准一が語る、侍た…
  • 1
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 2
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 3
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開したAI生成のクリスマス広告に批判殺到
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 8
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 9
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 10
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 8
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中