ニュース速報

ビジネス

都区部コアCPI5月は+0.2%と予想外の上昇、巣ごもり消費で

2020年05月29日(金)10時02分

総務省によると5月の東京都区部消費者物価指数(生鮮食品を除く、コアCPI)は101.8となり、前年同月比0.2%上昇した。写真は外出自粛を呼びかける都の職員。4月14日、都内の繁華街で撮影(2020年 ロイター/Issei Kato)

[東京 29日 ロイター] - 総務省によると5月の東京都区部消費者物価指数(生鮮食品を除く、コアCPI)は101.8となり、前年同月比0.2%上昇した。ロイターがまとめた民間予測マイナス0.2%に反し、上昇した。新型コロナウイルスの感染拡大で外出自粛が広まり、「巣ごもり消費」の傾向が強まる中、菓子類や調理食品などの価格上昇が指数押し上げにつながった。

上昇寄与度が最も大きかったのは生鮮を除く食料。このうち、外食は前年同月比2.9%上昇で、中でも寿司は5.4%上昇した。菓子類も2.9%上昇し、アイスクリームは10.1%の伸びだった。調理食品は1.7%上昇。弁当が8.6%上昇した。一連の食品には、昨年の人件費高騰を受けた値上げや消費税率引き上げの影響も出ている。

このほか、交通・通信では高速自動車国道料金が9.4%上昇。新型コロナ感染抑止のため、大型連休中にETC割引がなかったことが上昇につながった。教養娯楽では、トレーニングパンツが12.8%上昇、ゴルフプレー料金が5.9%上昇した。

一方、下落に寄与した項目としては、市況安を反映して電気代が2.4%下落、都市ガス代が4.0%下落、ガソリン代が15.6%下落。外出自粛が続き、宿泊料は4.0%下落、外国パック旅行費は6.2%下落となった。

幼児教育・保育無償化の影響も尾を引いた。幼稚園保育料(私立)は84.9%下落、保育所保育料は57.0%下落。

都区部コアCPIは5月、2カ月ぶりの前年同月比プラスとなったが、総務省の担当者は先行きは見通しにくいとしている。商品市況の下落が遅れて料金に反映されるガソリン代などは引き続き指数押し下げにつながるとみている。緊急事態宣言の全面解除により、宿泊料や外国パック旅行費がどうなるかが、注目ポイントの1つになるという。

東京都区部の総合指数は前年比0.4%上昇した。生鮮食品およびエネルギーを除く総合指数は前年比0.5%上昇した。

*内容を追加しました。

(和田崇彦 編集:内田慎一)

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米「夏のブラックフライデー」、オンライン売上高が3

ワールド

オーストラリア、いかなる紛争にも事前に軍派遣の約束

ワールド

イラン外相、IAEAとの協力に前向き 査察には慎重

ワールド

金総書記がロシア外相と会談、ウクライナ紛争巡り全面
MAGAZINE
特集:大森元貴「言葉の力」
特集:大森元貴「言葉の力」
2025年7月15日号(7/ 8発売)

時代を映すアーティスト・大森元貴の「言葉の力」の源泉にロングインタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 2
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首」に予想外のものが...救出劇が話題
  • 3
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打って出たときの顛末
  • 4
    イギリスの鉄道、東京メトロが運営したらどうなる?
  • 5
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    主人公の女性サムライをKōki,が熱演!ハリウッド映画…
  • 8
    【クイズ】未踏峰(誰も登ったことがない山)の中で…
  • 9
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 10
    『イカゲーム』の次はコレ...「デスゲーム」好き必見…
  • 1
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 2
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 3
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...APB「乗っ取り」騒動、日本に欠けていたものは?
  • 4
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 5
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 6
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 7
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「…
  • 8
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」…
  • 9
    トランプ関税と財政の無茶ぶりに投資家もうんざり、…
  • 10
    アリ駆除用の「毒餌」に、アリが意外な方法で「反抗…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中