ニュース速報

ビジネス

国内企業物価指数、2月は前年比+0.8% 原油価格の下落で上昇幅縮小

2020年03月12日(木)10時27分

 3月12日、日銀が発表した2月の企業物価指数は102.0となり、前年比で0.8%上昇した。写真は川崎市の京浜工業地帯で2016年8月に撮影(2019年 ロイター/Kim Kyung Hoon)

[東京 12日 ロイター] - 日銀が12日発表した2月の企業物価指数(2015年平均=100、速報)は102.0となり、前年比で0.8%上昇した。上昇は4カ月連続だが、1月の同1.5%と比較して上昇率は縮小。ロイターの事前予測調査の中央値プラス1.0%を下回る結果となった。

新型肺炎の感染拡大を受け、原油をはじめとする石油・石炭製品や非鉄金属など、市況性の強い製品の価格下落が前年同月比の上昇率縮小に寄与した。前月比はマイナス0.4%で、6カ月ぶりに下落に転じた。

消費税を除いたベースでは前年比マイナス0.8%(2カ月ぶりのマイナス)、前月比ではマイナス0.5%(4カ月ぶりにマイナス)だった。

消費税を除くベースで、前月比の下落に最も寄与したのは石油・石炭製品(同マイナス4.8%)。続いて、鉄くず・銅などのスクラップ類(同マイナス8.3%)、銅地金などの非鉄金属(同マイナス1.5%)だった。いずれも、新型肺炎の感染拡大を受けて、海外市況での値下がりが続いたことが影響した。

一方、物価指数が上昇したのは掘さく機、ロボットなどのを含む生産用機器(同プラス0.2%)だった。

消費税を除いた実力値ベースで上昇・下落した品目を数えると、公表744品目のうち、前年比で上昇したのは323品目、下落したのは345品目と、下落が上昇を22品目上回った。

日銀は、新型肺炎の感染拡大の影響で「原油をはじめとする国際商品市況の価格が軒並み下落したことが、前年同月比の上昇幅縮小に寄与した」(幹部)と説明。一方、国内外の需給変動については限定的なものにとどまっていると指摘した。

足元では、石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟国で構成される「OPECプラス」の追加減産協議が決裂し、原油価格が急落している。同幹部は「3月の企業物価指数に影響を与えるのでは」とコメント。「新型肺炎の感染拡大による影響に加えて、原油価格の動向も引き続き注視したい」(同幹部)と警戒感を示した。

*内容を追加して再送します。

(浜田寛子)

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国製EVの氾濫阻止へ、欧州委員長が措置必要と表明

ワールド

ジョージア、デモ主催者を非難 「暴力で権力奪取画策

ビジネス

円安、輸入物価落ち着くとの前提弱める可能性=植田日

ビジネス

中国、リチウム電池生産能力の拡大抑制へ 国際市場の
MAGAZINE
特集:岸田のホンネ
特集:岸田のホンネ
2024年5月14日号(5/ 8発売)

金正恩会談、台湾有事、円安・インフレの出口......岸田首相がニューズウィーク単独取材で語った「次の日本」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 2

    「自然は残酷だ...」動物園でクマがカモの親子を捕食...止めようと叫ぶ子どもたち

  • 3

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 4

    「真の脅威」は中国の大きすぎる「その野心」

  • 5

    いま買うべきは日本株か、アメリカ株か? 4つの「グ…

  • 6

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 7

    デモを強制排除した米名門コロンビア大学の無分別...…

  • 8

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが......…

  • 9

    イギリスの不法入国者「ルワンダ強制移送計画」に非…

  • 10

    中国軍機がオーストラリア軍ヘリを妨害 豪国防相「…

  • 1

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 2

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 3

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 4

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 5

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 6

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 7

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 8

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 9

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 10

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが......…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 10

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中