ニュース速報

ビジネス

欧州委、ユーロ圏19年成長率見通し引き下げ 貿易や伊財政がリスク

2018年11月09日(金)10時13分

 11月8日、欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は、四半期の経済予測で、ユーロ圏の来年の成長率見通しを引き下げ、2020年まで減速が続くとの見方を示した。写真は会見する欧州委員会のユンケル会長。ブリュセルで3月に撮影(2018年 ロイター/Eric Vidal)

[ブリュッセル 8日 ロイター] - 欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は8日、四半期の経済予測で、ユーロ圏の来年の成長率見通しを引き下げ、2020年まで減速が続くとの見方を示した。米国の経済政策や英国のEU離脱、イタリアなど債務水準が高い加盟国による歳出拡大をリスクに挙げた。

成長率見通しの引き下げは予想通りだったが、欧州中央銀行(ECB)が年内に予定する量的緩和政策の解除を複雑にする可能性がある。ただ、欧州委は同時に、今年と来年のユーロ圏のインフレ率見通しを1.8%に引き上げており、ECBが目標とする2%近辺に近づいた。

ユーロ圏の経済成長率は今年は2.1%になるとみられており、昨年の2.4%から鈍化する。来年の見通しは従来の2.0%から1.9%に引き下げた。

20年は1.7%へのさらなる減速を見込む。欧州委が同年の見通しを示したのは今回が初めて。

ユーロ圏最大の経済国ドイツの成長率見通しは今年が1.7%と、従来の1.9%から下方修正。17年の2.2%も下回る。19年は1.9%から1.8%に引き下げた。20年は1.7%を見込む。

欧州委はフランスとイタリアの成長率見通しも引き下げた。イタリアは引き続きユーロ圏で最も低い成長率になるとみられている。[nL4N1XJ5J5]

EU全体については、今年の成長率が2.1%、来年は1.9%、20年は1.8%になるとの見通しを示した。

リスクに関しては、米国の「順循環的な財政刺激策」に起因する米経済の過熱が金利上昇ペースを予想よりも速くする可能性があり、そうなれば米国外にさまざまなマイナスの「波及効果」をもたらすことになるとの見解を示した。また、トランプ政権の政策に起因する貿易摩擦のリスクについても警告した。

歳出拡大を政策に掲げるイタリアもリスクになっていると指摘。「債務水準が高い加盟国の財政の質や持続性に関する疑念は、国内銀行部門に波及して金融安定を巡る懸念を引き起こし、経済活動の重しとなる可能性がある」とした。

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ベトナム、「新興国市場」への格上げで最大60億ドル

ワールド

TikTok、フィンランドに第2データセンター建設

ビジネス

インド中銀が金利据え置き、紛争で見通し不透明 イン

ワールド

英シェル、第1四半期ガス生産見通しを下方修正 イラ
MAGAZINE
特集:トランプの大誤算
特集:トランプの大誤算
2026年4月14日号(4/ 7発売)

国民向け演説は「フェイク」の繰り返し。泥沼化するイラン攻撃の出口は見えない

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 2
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライナ軍司令官 ロシア軍「⁠春の​攻勢」は継続
  • 3
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命防衛隊と消耗戦に
  • 4
    韓国、生理用品無償支給を7月から開始 靴の中敷きで…
  • 5
    米軍が兵器を太平洋から中東に大移動、対中抑止に空白
  • 6
    「王はいらない」800万人デモ トランプ政権への怒り…
  • 7
    「高市しぐさ」の問題は「媚び」だけか?...異形の「…
  • 8
    【後編】BTS再始動、3年9カ月の沈黙を経て──変わる音…
  • 9
    キッチンスポンジ使用の思いがけない環境負荷...マイ…
  • 10
    5日間の寝たきりで髪が...ICUに入院した女性を襲っ…
  • 1
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 2
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始めた限界
  • 3
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐせ・ワースト1
  • 4
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライ…
  • 5
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅…
  • 6
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 7
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 8
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イ…
  • 9
    【銘柄】イラン情勢で一躍脚光の「NEC」 防衛・宇宙…
  • 10
    米軍が兵器を太平洋から中東に大移動、対中抑止に空白
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 4
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅…
  • 5
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 6
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 7
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 8
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 9
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 10
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中