ニュース速報

ビジネス

米GEの第3四半期は赤字、減配・電力事業分割を発表

2018年10月31日(水)02時26分

 10月30日、米ゼネラル・エレクトリック(GE)は四半期配当を0.01ドルに引き下げると発表した。また電力事業からタービン・サービス事業を分離すると明らかにした。スイス・バーデンで昨年11月撮影(2018年 ロイター/ARND WIEGMANN)

[30日 ロイター] - 米ゼネラル・エレクトリック(GE)は30日、四半期配当を0.01ドルに引き下げると発表した。また電力事業からタービン・サービス事業を分離すると明らかにした。

この日発表した第3・四半期決算は、電力事業のGEパワーの減損処理などが響き228億ドルの損失となった。GEパワーは6億3100万ドルの赤字だった。

1株当たり損失は2.63ドル。前年同期は0.16ドルの利益を計上していた。売上高は4%減の296億ドル。調整後の1株利益は0.14ドルと、前年同期の0.21ドルから減少した。リフィニティブがまとめたアナリスト予想は0.20ドルだった。

カルプ新最高経営責任者(CEO)はタービン・サービス事業を電力事業から分離すると発表。アナリストの間では今後、蒸気タービン、原子力発電、送電など、他の電力関連事業が売却される可能性との見方が出ている。

GEは仏アルストムから2015年に約100億ドルで電力事業を取得。ただ需要は期待ほど伸びず、のれん代の減損費用などとして220億ドルを計上した。

GEは220億ドルの減損費用について米証券取引委員会(SEC)と司法省が現在進めている調査を拡大したことも明らかにした。これを受け、中盤の取引でGE株は約9%下落している。

カルプCEOは声明で「就任後100日の優先課題は、パワーを手始めにGEの事業を勝てる状態にすることと債務圧縮を加速すること」と述べた。

GEは今月初め、通期利益予想(1株=1.00─1.07ドル)を引き下げる可能性を示唆。アナリストも予想を0.88ドルに下方修正していたが、予想の変更はなかった。

GEのスポークスマンは、古い目標を堅持しているのでなく、まだ新たな目標を発表できないためと説明した。

カルプCEOは、フラナリー氏の後任として10月1日に就任。この日に、電力事業ののれんの減損処理を明らかにしている。

電力事業は受注が18%減少し、売上高が33%減少した。太陽光発電や風力発電のコスト低下などで世界的に火力発電所新設需要が減退していることが逆風となっている。

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

LSEG、金融データをチャットGPTに統合へ AI

ビジネス

午後3時のドルは155円前半、日銀利上げ見通しで一

ワールド

香港当局、高層住宅火災受け防護ネット全面撤去へ

ワールド

インドネシア、採掘規則違反企業を処分へ 洪水で死者
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%しか生き残れなかった
  • 2
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇気」
  • 3
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与し、名誉ある「キーパー」に任命された日本人
  • 4
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国…
  • 5
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 6
    【クイズ】日本で2番目に「ホタテの漁獲量」が多い県…
  • 7
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 8
    台湾に最も近い在日米軍嘉手納基地で滑走路の迅速復…
  • 9
    高市首相「台湾有事」発言の重大さを分かってほしい
  • 10
    見えないと思った? ウィリアム皇太子夫妻、「車内の…
  • 1
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 4
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 5
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 6
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 7
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 8
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 9
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 10
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 4
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 5
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中