ニュース速報

ビジネス

三菱重社長、「戦闘状態乗り切るめどつける」まで続投

2018年02月06日(火)19時46分

 2月6日、三菱重工業の宮永俊一社長は決算会見で、量産初号機の納期が5度遅れている小型ジェット旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」、火力発電設備事業の不振などの課題に立ち向かう「戦闘状態にあり、粛々と対策を進めている」と説明した。写真は都内で2016年5月撮影(2018年 ロイター/Issei Kato)

[東京 6日 ロイター] - 三菱重工業<7011.T>の宮永俊一社長は6日の決算会見で、小型ジェット旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」の開発遅れや火力発電設備事業の不振などに見舞われている同社の現状を「戦闘状態にある」とした上で、「この局面を乗り切るめどがついたら、なるべく早く若返りを図りたい」と語った。宮永氏は2013年4月の社長就任から6年目を迎えるが、社長として当面続投する意向を示した。

宮永社長は「戦闘状態の中で、粛々と対策を進めている」と述べ、その最中に「リーダーが急に代わるのはどうか。次の時代を担う若手を充実させながら、そのまま進めて体制を強くする。この局面を乗り切るめどをつける」と話した。

MRJの開発については、最新の納期である2020年半ばに間に合わせるスケジュールに沿って「着実に進捗している」といい、「この流れは止めずにいきたい」と語った。

同社はまた、間接保有を含めて約10%を持つ三菱自動車<7211.T>株について、三菱商事<8058.T>と三菱東京UFJ銀行の三菱グループ3社の間で「最適な出資構成」を検討していると発表した。宮永社長は「詳細は言える段階にはない」とした上で、「今後の三菱自動車の成長戦略上、もっとも良い形は何かということで検討を進めている」と述べた。

三菱自は16年に燃費データ不正問題が発覚した後、日産自動車<7201.T>と資本・業務提携。筆頭株主として34%出資する日産と三菱グループ3社との間での取り決めに基づき、グループ3社合計の出資割合は維持するが、三菱重は三菱自株の大半を、同社の海外販売を支える三菱商事へ売却する方針とみられる。

同日発表した2017年4―12月期連結決算によると、営業利益は前年同期比16.9%増の800億円だった。インダストリー・社会基盤部門でのターボチャージャーやフォークリストなどの売り上げ増加などが寄与した。

18年3月期通期の連結業績予想は従来のまま据え置いた。通期の営業利益予想は前期比19.6%増の1800億円。トムソン・ロイターが集計したアナリスト11人の予測平均値は1835億円となっている。売上高予想は前期比3.5%増の4兆0500億円、純利益予想は同8.8%減の800億円。

*内容を追加しました。

(白木真紀)

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ホンジュラス大統領選、トランプ氏支持候補優勢で対立

ワールド

「ユーロビジョン」イスラエル参加容認、スペインなど

ビジネス

具体的な金融政策の実務運営は日銀にお任せしている=

ワールド

英政党献金、第3四半期はリフォームUKが最大 実業
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%しか生き残れなかった
  • 2
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させられる「イスラエルの良心」と「世界で最も倫理的な軍隊」への憂い
  • 3
    高市首相「台湾有事」発言の重大さを分かってほしい
  • 4
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国…
  • 5
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与…
  • 6
    「ロシアは欧州との戦いに備えている」――プーチン発…
  • 7
    ロシアはすでに戦争準備段階――ポーランド軍トップが…
  • 8
    見えないと思った? ウィリアム皇太子夫妻、「車内の…
  • 9
    【トランプ和平案】プーチンに「免罪符」、ウクライ…
  • 10
    【クイズ】日本で2番目に「ホタテの漁獲量」が多い県…
  • 1
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%しか生き残れなかった
  • 4
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 5
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 6
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 7
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 8
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 9
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与…
  • 10
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中