ニュース速報

米政府、160億ドルの農家支援策発表 米中貿易戦争の影響相殺へ

2019年05月24日(金)09時37分

[ワシントン 23日 ロイター] - トランプ米政権は23日、米中貿易戦争の長期化で打撃を受けている農家を支援する160億ドルの救済策を発表した。農家への支給率については作物の種類ではなく、農家の場所に基づいて決定するという。

救済策の大部分が直接支給となるが、農務省の説明から大豆や豚肉、トウモロコシといった生産物の種類に基づく支給になると見込んでいた農家やトレーダーにはサプライズとなった。

多くの農業団体は救済策を歓迎した上で、可能な限り早期の中国との通商合意を求めた。一方、一部の民主党議員らは対策は「一時しのぎ」にすぎないと指摘。各郡に基づく支給では一部の農家は支給額が減ると批判した。

トランプ大統領は、支援策に関する記者会見で「農家は中国から攻撃されている。しかし、いかなる国も米国の経済・国家安全保障を否認できないことを、この160億ドルの支援策が明確にするだろう」と語った。

農務省当局者は23日、145億ドルが直接支給になるとし、3段階に分けて実施する方針を示した。最初の支給は7月下旬という。

パーデュー農務長官は「今日発表した救済策は、中国や他国による貿易慣行による影響から農家を確実に守る。農家は支援ではなく貿易を望んでいるだろうが、貿易がなければ何らかの支援が必要になる」と語った。

また、補助金支給の第2、第3段階について、通商協議の進展状況や合意に至るかどうかに左右されると述べた。具体的な金額もまだ決まっていないという。

救済策には食料購入を通じた14億ドルの支援や海外市場の開拓向けの1億ドルも含まれている。

*内容を追加します。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

オランダ企業年金が確定拠出型へ移行、長期債市場に重

ワールド

シリア前政権犠牲者の集団墓地、ロイター報道後に暫定

ワールド

トランプ氏、ベネズエラ麻薬積載拠点を攻撃と表明 初

ワールド

韓国電池材料L&F、テスラとの契約額大幅引き下げ 
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と考える人が知らない事実
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    「すでに気に入っている」...ジョージアの大臣が来日…
  • 5
    「サイエンス少年ではなかった」 テニス漬けの学生…
  • 6
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 7
    【銘柄】子会社が起訴された東京エレクトロン...それ…
  • 8
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 6
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 7
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 8
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 9
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 10
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 5
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中