ニュース速報

中国ファーウェイ幹部逮捕と距離置くトランプ政権、火種回避か

2018年12月07日(金)15時36分

[ワシントン/オタワ 6日 ロイター] - 中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)[HWT.UL]の孟晩舟(メン・ワンツォウ)最高財務責任者(CFO)がカナダで逮捕された件で、米ホワイトハウス高官は6日、トランプ大統領は1日の米中首脳会談前に計画を認識していなかったと明らかにした。

この問題が米中貿易協議の火種となるのを回避する狙いがあるとみられる。

孟氏は首脳会談が行われた1日にカナダのバンクーバーで逮捕された。身柄は米国に引き渡される見通しとなっている。

ホワイトハウス高官はロイターに対し、米国がカナダに孟氏の引き渡しを求めていたことをトランプ大統領は会談前には知らなかったと述べた。

関係筋によると、米国は対イラン制裁を逃れるために世界的な銀行システムを利用した疑惑を捜査しており、その一環で孟氏の逮捕を要請したという。

別のホワイトハウス当局者はロイターに対し、この件は司法省の問題であり、ホワイトハウスと事前の調整はなかったと説明した。その上で、中国による国際貿易規範への違反と米国がみなす問題について米政府が厳しく対応するというシグナルになる可能性があると述べた。

また、包括的な貿易協議での合意を目指す米中の取り組みが複雑になる恐れはあるものの、必ずしも打撃にはならないとの見方を示した。

孟氏の逮捕を受け、カナダでも中国の報復を巡る懸念が出ているが、トルドー首相は6日、逮捕に政治介入はなかったとし、距離を置く姿勢を示した。

逮捕について記者団に聞かれ、「適切な当局がいかなる政治的な関与、介入なしにこの件で決定を下した。カナダは計画について数日前に通知された」と説明。中国首相や大使と協議したかを聞かれると、海外の相手と話していないと答えた。

<日本政府は製品排除へ>

米当局は、華為が対イラン制裁に違反したかどうかについて、米国は少なくとも2016年から調べていた。関係筋によると、最近では華為がHSBCを利用してイラン関連の違法な取引を行った容疑などで捜査が行われていた。

HSBCは12年、米制裁や資金洗浄関連法違反で、ブルックリンの検察局と訴追延期合意を交わし、19億2000万ドルを支払った。関係者によると、HSBCは捜査を受けていない。米捜査当局の報道官やHSBCの広報担当者はコメントを控えた。

複数の関係筋が明らかにしたところによると、日本政府は中央省庁などが使用する製品・サービスなどから、華為と中興通訊(ZTE)<000063.SZ><0763.HK>の製品を事実上排除する見通しだ。

米共和党のクルーズ上院議員はツイッターに「華為は通信企業という薄いベールをかぶった中国共産党のスパイ機関だ」と投稿。ルビオ、サス両上院議員(ともに共和党)も逮捕を歓迎し、同社は安全保障上の脅威との見方を示した。

華為は逮捕を確認する声明を発表。容疑に関する情報はほとんど得られていないとした上で、「孟氏の過失は承知していない」との立場を示している。

*写真を更新しました。

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ミネソタ州に兵士1500人派遣も、国防総省が準備命

ワールド

EUとメルコスルがFTAに署名、25年間にわたる交

ワールド

トランプ氏、各国に10億ドル拠出要求 新国際機関構

ワールド

米政権、ベネズエラ内相と接触 マドゥロ氏拘束前から
MAGAZINE
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
2026年1月20日号(1/14発売)

深夜の精密攻撃でマドゥロ大統領拘束に成功したトランプ米大統領の本当の狙いは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向」語る中、途方に暮れる個人旅行者たち
  • 2
    【銘柄】「住友金属鉱山」の株価が急上昇...銅の高騰に地政学リスク、その圧倒的な強みとは?
  • 3
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の船が明かす、古代の人々の「超技術」
  • 4
    世界最大の埋蔵量でも「儲からない」? 米石油大手が…
  • 5
    中国のインフラ建設にインドが反発、ヒマラヤ奥地で…
  • 6
    DNAが「全て」ではなかった...親の「後天的な特徴」…
  • 7
    シャーロット英王女、「カリスマ的な貫禄」を見せつ…
  • 8
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世…
  • 9
    鉛筆やフォークを持てない、1人でトイレにも行けない…
  • 10
    AIがついに人類に「牙をむいた」...中国系組織の「サ…
  • 1
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率が低い」のはどこ?
  • 2
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 3
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世界一危険」な理由
  • 4
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 5
    世界初で日本独自、南鳥島沖で始まるレアアース泥試…
  • 6
    正気を失った?──トランプ、エプスタイン疑惑につい…
  • 7
    母親が発見した「指先の謎の痣」が、1歳児の命を救っ…
  • 8
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 9
    「高額すぎる...」ポケモンとレゴのコラボ商品に広が…
  • 10
    中国が投稿したアメリカをラップで風刺するAI動画を…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 10
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中