途上国におけるナショナリズム的なEV普及を後押ししているのは実は中国企業である。エジプトのナスル社は中国の東風汽車と生産協力を行っており、ウガンダのキイラ社は同じ中国の恒天集団から技術移転を受けた。ベトナムのビンファースト社も中国の蓄電池メーカー国軒高科と提携している。

iPhoneの生産で知られ、シャープを買収した鴻海(ホンハイ)精密工業は、顧客が自由に独自EVを製造できる共通プラットフォームを提供している(鴻海は台湾企業だが、中国政府から支援を受けており、限りなく本土の企業に近い)。この仕組みを使えば技術力に乏しい企業でも容易に自社ブランドのEVを開発・製造に乗り出せる。

中国はあえて黒子に徹することで、新興国での実質的なEV市場の覇権を狙っているとみてよいだろう。日本メーカーはこうした取り組みをほとんど行っておらず、自社ブランドの製品販売を大前提にしている。多くの新興国が国産EVの開発に乗り出せば、これまで日本企業が確保していた新興国市場の多くを失うことになるかもしれない。

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