トランプ政権は環境問題に消極的で、今後も石油を使い続ける方針を示していた。欧州はトランプ氏が環境問題に消極的なことを利用し、脱炭素を武器にアメリカが世界に張り巡らせてきた石油利権を破壊しようと画策していたが、アメリカが本格的な脱炭素に乗り出せば、そうは問屋が卸さなくなる。

欧州各国は環境問題に積極的なバイデン政権の誕生を表面的には大歓迎しているが、本音では舌打ちしているかもしれない。

菅義偉首相は就任早々、安倍政権の方針を大転換し、2050年までに温暖化ガスの排出量を実質ゼロにすると表明した。バイデン政権の誕生を事前に予想したものなのかはともかく、結果的にはタイミングのよい決断となった。

石油元売り各社など一部のエネルギー業界にとっては逆風となるものの、再生可能エネルギー関連の業界が伸びるのはほぼ確実といってよい。アメリカを含む全世界で電気自動車(EV)シフトが進むので、日本電産などEV関連に強い部品メーカーの業績にも弾みがつくだろう。

<本誌2020年11月24日号掲載>

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