<「魔法的な光に満ち溢れていた」アフガニスタンで生まれ、難民としてスイスに渡り、写真家になったザーマイ。彼の作品には運命的な定めのようなものまで絡みついている>

時代に残る写真家の多くは、しばしば作品に自らのアイデンティティがまとわりついている。加えて、運命的な定めのようなものまで絡みついている場合もある。今回紹介するドキュメンタリー写真家、ザーマイもそうした1人だ。アフガニスタンとスイスの2つの国籍を持つ54歳の写真家である。

ザーマイは、14歳から写真に夢中になり、将来は写真家になることを夢見ていた。彼自身が「魔法的な光に満ち溢れていた」と形容する生まれ故郷、アフガニスタンの首都カブールで。

だが、その後すぐ、1979年にはソ連軍がアフガニスタンに侵攻する。本格的な戦争が始まり、翌1980年、16歳のときに彼はスイスに難民として亡命することになる。

この出来事は、言うまでもなく、彼の人生と後の写真家としてのあり方に大きな影響を与えた。地球に存在する悲劇、とりわけ戦争に翻弄される人々の悲劇に焦点を当て続けていくことになったのである。

被写体の多くは難民だ。アフガニスタンの国内避難民や、ここ数年膨大な数でEUに流出している難民たちである。ザーマイ自身の経験と、ヨーロッパの第2次世界大戦の史実――歴史的にはつい最近のことだ――も含め、難民になることは誰にでも起こり得ることだ、と彼は語る。

写真に関して言えば、どこか二律背反的な感覚が漂っている。古典的な手法で光と構図を巧みに操っているかと思えば、意図的にかシャープさを欠いたストレートで素朴な写真も多用している。とりわけ、彼にとって日記的な要素が強いインスタグラムでは、その傾向が強い。ちなみに彼のウェブサイトは、 www.zalmai.comである。

見る者は偽善か本物か分かる