<キッチュなヌード写真で注目を集めていた中国の若手写真家が、自殺した。このブログで取り上げようとインタビューを申し込んでいたところだった>
2月24日、写真界の大きな才能が1つ、逝ってしまった。北京を拠点に活動していた中国人のレン・ハンだ。享年29。原因はまだはっきりしないが、自殺だったという。
奇遇だった。このブログで取り上げるためにちょうどインタビューを彼に申し込んでいたところだった。また、亡くなる数日前には、報道メディアの雄であるCNNや他の欧米のメディアでも彼の記事を目にしていた。
作品の主たる被写体はヌードだ。大半は友人をモデルにしたものである。ハイコントラストでキッチュなポップ感にあふれた作品になっている。直接、官能的に訴えるものはほとんどない。
写真のテクニックとしては素人に近い。不用意にピントが甘いものや、単純なライティング、ひと昔どころか、ふた昔前の小型フィルムカメラでの撮影。
だが、こうしたものはレンの作品をより引き立てる。なぜなら、彼の作品づくりのプロセスは、その瞬間瞬間を楽しみながら、自然に湧き上がってきたアイディアで作り上げたものだからだ。
たとえば、小物として使った鳥、蛇、その他さまざまな動物とモデルたちとの相互作用、モデルたち自身が森の樹木などに扮したもの、あるいは、モデルたちがグループになって自らのボディや手足、顔のフォルムを意図的に生殖器にたとえたもの......。シュールでダーティな感覚が入り込みながらも、これらが安堵させるような何かを与えてくれる。
それは、レンが言うように、裸とは本来恥じるものではなく大切な自身の存在に過ぎないせいかもしれない。彼はそれを具体的に表現しているだけなのである。実際、若い友人だけでなく、自らの母親をモチーフとしたシリーズも作られているが、母親自身も安堵感を携えたコメディー的なタッチの中、ヌードとは言わなくても下着姿で撮影されている。
【参考記事】日本の「かわいい」と似て非なる「ピンク・カルチャー」とは何か