[東京 29日 ロイター] - 東京電力<9501.T>が29日発表した2015年4─9月期の連結経常利益は前年同期比50.4%増の3651億円だった。燃料費が大幅に減り、上期では過去最高の経常利益となった。

16年3月期の通期業績予想は柏崎刈羽原発の再稼働が見通せないため未定とした。トムソン・ロイターがまとめたアナリスト5人の16年3月期経常利益の予測平均値は3220億円。

液化天然ガスなど火力燃料の輸入価格急落に加え、発電量も減少したことで、最大の費用項目である燃料費は前年同期比で4340億円減少し、東日本大震災以降で上期では最小となった。

4─9月期は、燃料輸入価格の低下が先行し、3─5カ月後に電気料金を値下げする燃料費調整制度上のプラス効果が2210億円あった。燃料の輸入価格が横ばいで推移すれば、効果は順次解消する。

広瀬直己社長は記者会見で「上期決算は、燃料費調整制度のタイムラグ(効果)というラッキーな部分があった。一過性のもので、黒字基調ではない」と述べた。

同社は、公的管理から離脱するための重要課題である社債市場への復帰を16年度に目指している。来年4月予定の持ち株会社制への移行で発足する送配電子会社が起債を担い、3300億円の調達を狙う。

社債市場への復帰について広瀬社長は「マーケットの判断で、格付けも上げないといけない」と説明。原発再稼働が起債のカギを握るのかどうかについては「再稼働があるから発行できて、ないからできないという単純なものではない」と答えた。

<原発再稼働すれば値下げ検討>

同社は昨年12月、15年中(歴年)は原発が再稼働しなくても値上げしないと公約。値上げが必要かどうか見極めるとしていたが、上期最高益を上げ、家庭向けを含む電力小売り市場の全面自由化が来年4月に控える中で、値上げできるような環境ではない。

広瀬社長は「できれば値上げはしたくない。経営を安定させるためには再稼働は必要だ。その上で、競争状態にもよるが、値下げを考えないといけない」などと話した。

(浜田健太郎)

Reuters Copyright (C) 2026 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。