
──マドゥロなき後のベネズエラ政治の現状は。
マドゥロ政権で副大統領を務めたデルシー・ロドリゲスが暫定大統領を務めている。彼女もクリーンな人物ではないが、幾度もあったマドゥロ政権の危機を共に乗り越え、多くの修羅場をくぐってきた。したたかさと胆力もある。
そして、マドゥロ政権で人権侵害、麻薬取引、汚職などの犯罪に深く関わったディオスダード・カベージョ内務大臣やパドリーノ・ロペス国防大臣が、引き続き政権の脇を固めている。
そのため、体制は変わっていないと感じるベネズエラ国民は、今も弾圧を恐れて生活している。
──アメリカはなぜロドリゲスを暫定大統領と認めたのか。
ロドリゲスは選挙で負けたまま実効支配を続けたマドゥロに指名された副大統領だ。当然、正当性はない。
それでもトランプ政権が彼女を選んだのは、ベネズエラ社会の秩序を維持し混乱を防ぐためだ。
アメリカはマドゥロがいなくなっても、政権が依然チャビスタ(故ウゴ・チャベス大統領の支持勢力)によって支配されていることを理解している。
ノーベル平和賞を受賞したマリア・コリナ・マチャドなど反政府派リーダーがいま帰国しても、政権メンバーと対立が激化して混乱に陥り、暴力が広がる可能性が高いと考えた結果だ。
一方ロドリゲスは、譲歩できる点は譲歩しつつ、体制維持を目指すだろう。実際、アメリカに融和的な発言もしているが、屈したわけではない。
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