<戦争の勝敗は見えつつあるのに、秩序の設計図は見えない。勢力図が塗り替わる中東で、アメリカの影響力は後退し、各国は「次」を警戒し始めた>

中東地域は今、数十年来の深刻な危機を迎えている。

口火を切ったのはイスラム組織ハマスによる2023年10月7日の奇襲攻撃。続くガザ戦争は途方もない人道上の惨事を生んだ。その衝撃は戦闘が終わった後も長く残るだろう。

一方で戦線は急速に拡大し、イランを軸とする「抵抗の枢軸(レバノン、シリア、イエメン)」とイスラエルの戦いとなり、さらにペルシャ湾岸のカタールにまで飛び火した。

軍事的には、むろんイスラエルが大きな戦果を上げた。ハマスをたたき、レバノンではシーア派組織ヒズボラの指導部に痛撃を与え、この地域におけるイランの影響力を大幅に弱めた。イラン自体の軍事・核開発施設にもかなりのダメージを与えた。

25年9月にはカタール(アメリカの同盟国だ)でハマス幹部らの居宅にミサイルが撃ち込まれ、アメリカはイスラエルへの停戦圧力を強めることになった。だが停戦の行方がどうあれ、イスラエルがその拡張主義的な目標を追求し続けるのは必至だ。

もはや「抵抗の枢軸」は恐れるに足らないと、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸やレバノン南部で強引に支配地域を広げていくだろう。

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