CPTPPは加盟予定国に改革を促す可能性も持つ。中国はまだ要件を満たしていないが既に加盟を申請しており、国有企業や市場アクセスの改革に意欲を示した。もし中国は加盟するがアメリカは非加盟ということになれば、CPTPPはほとんどアメリカに利益をもたらさないことになる。
ハリス政権は、過去の政権が中国からの輸入品に課してきた関税を撤廃するかもしれない。アメリカの特に中低所得層の消費者にとっては、関税をかけられるのは課税されることに等しい。ハリスは国民に向かって、関税は国内の労働者に新たな雇用を創出せずに生活費を引き上げるものであり、自滅的な策だと説明しなくてはならない。
いくらか開放的な通商政策と国内での再分配を組み合わせれば、ハリスは世界貿易を復興させ、米景気を高揚させ、アメリカの国際指導力を高められるかもしれない。トランプの場合は、世界貿易にまた否定的な衝撃を与え、勝者よりも敗者がはるかに多くなる結果を招くとしか思えない。
SHANG-JIN WEIコロンビア大学経営大学院教授(金融学・経済学)。アジア開発銀行(ADB)でチーフエコノミスト、世界銀行では汚職対策の政策・研究のアドバイザーなどを歴任した。
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