共和党にも政策目標はある。だが、その逆進的な税制や労働者の利益に反する政策、大学や科学に対する攻撃、女性の権利の原始的な逆転に、多くの有権者が反対している。ところが、共和党は選挙制度を自分たちに有利なものにし、バイデンを巧みに年寄り扱いしている。

ソフトランディングに失敗か

さらに、一部の民主党議員は共和党と呼応して、インフレはパンデミックからの復興におけるバイデン政権の財政支出のせいだと声高に主張している。しかし、それらの支出は、パンデミック不況の先が見えない不確実性の最中に行われたものだ。

就任直後の政権としては、やらないより、やりすぎて失敗するほうが賢明だった。実際、結果として必要な量に極めて近い景気刺激策を実施した。データを注意深く検証すると、パンデミック後のインフレの主な要因は過剰な総需要ではなく、パンデミックに関連した供給不足と需要のシフトだった(しかも、これらは22年2月に始まったロシアのウクライナ侵攻によって悪化した)。

こうした立場を支持してきた私たちは、インフレは抑制され、やがて低下し始めるだろうと考えた。その時期は誰も正確に予測できなかったが、実際にそうなった。しかし残念ながら、中央銀行はインフレの要因を過剰需要と見誤り、金利を急激かつ大々的に引き上げた。

それでもこれら2つの誤りが相殺されるという点で、アメリカは幸運だ。財政政策は予想以上に堅調で、インフレ抑制法は予想の3倍の支出を引き出すとみられるが、FRB(米連邦準備理事会)の過剰な金融引き締めがその効果を相殺し、ソフトランディングにつながっている。

今後はアメリカのエネルギー自給率を考えると、原油価格の高騰は、主に消費者から石油生産者への利益の再分配に寄与するだろう。この逆進的な結果は、石油会社の超過利潤に課税する「棚ぼた税」によって逆転させることができる。

バイデンはそうした法案を議会で通過させることができなくても、明確な支持を表明すれば、政治的に追い風になる。消費者はバイデンが自分たちのために闘い、石油会社や彼らが選挙資金を提供する共和党に立ち向かっていると考えるだろう。ただし、彼はパンデミックの最中にも、この選択肢に尻込みしたのだが。

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