<西側寄りの政権を失脚させた軍事クーデターは、アメリカにとって「悪夢のシナリオ」だと、テロ専門家が警告>

西アフリカの内陸国でウランの主要な産出国であるニジェールで最近起きたクーデターは、アメリカにとっては「悪夢のシナリオ」であり、ロシアの民間軍事会社ワグネル・グループがこの地域でさらに幅を利かせる危険性があると、著名なテロ専門家が8月2日に警告を発した。

<マップ>西アフリカの親露3軍事政権

ニジェールでは7月26日、西側寄りのモハメド・バズム大統領率いる政権が倒され、バズムは自身の警護に当たる兵士たちに拘束された。2日後、バズムの警護隊の元司令官であるアブドゥラハマネ・チアニ将軍が国営テレビで全権掌握を宣言した。

ニューヨークに拠点を置くシンクタンク「スーファン・グループ」の政策・調査ディレクターのコリン・クラークは、ニジェールをはじめサハラ砂漠南縁部に広がるサヘル地域の国々で起きたクーデターや混乱は、ジハーディスト(イスラム過激派の武装組織)とワグネルにとっては、勢力拡大の絶好のチャンスになると、ソーシャルメディア・プラットフォームのX(旧ツイッター)で述べた。

ロシアは距離を置くポーズ

「#シエラレオネでもクーデターの企てが噂され、『クーデターの連鎖』への懸念は高まる一方だ。#ニジェールと#サヘル地域で今起きている事態は、アメリカにとって悪夢のシナリオにほかならない。警戒すべきは、西アフリカの沿岸部の国々に混乱が広がること。ジハーディストが勢いづき、ロシアの傭兵部隊が権力の空白を埋める危険性がある」

先週末には、ニジェールの首都ニアメーでクーデターを支持する多数の市民が、旧宗主国フランスの大使館前などでデモを繰り広げ、一部が暴徒化するなどの騒ぎが起きた。多くのデモ参加者が「フランス出て行け」と叫ぶ一方で、ロシア国旗を振り、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領を救世主扱いして「プーチン万歳」の声を上げていた。

こうした中、ロシア政府はニジェールの政変とは距離を置く姿勢を見せている。ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官は先週、ロシアはバズムの「速やかな釈放」を望むと語り、ドミトリー・ペスコフ大統領府報道官も7月31日、「あらゆる側に自制」を求めると述べた。

細胞を「生物学的資産」として管理する時代へ──iPS細胞治療の最前線
細胞を「生物学的資産」として管理する時代へ──iPS細胞治療の最前線
プリゴジンが支持声明
【関連記事】