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レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは21年にドライバーズ部門制覇 JEROME MIRONーUSA TODAY SPORTSーREUTERS

ホンダ社内には「北米でのホンダ車の存在感が低下しているのではないか」といった声がある。こうしたなか、欧州発祥のF1は実は現在、アメリカでキラーコンテンツとなっている。

17年に米リバティメディアがF1の運営会社を買収後、国内で人気が急上昇しているからだ。ホンダにとってF1は北米市場での広告効果を期待できる武器として使えるだろう。

今後、ホンダがEVシフトを進めていく上でも、北米戦略の成否が成長を左右する。

ホンダは22年、米オハイオ州にある工場をEV生産のハブ拠点とし、韓国のLGエナジーソリューションと合弁で同州内にEV向け電池工場を新設して25年から稼働させる計画を発表した。EV生産のハブ拠点化と、LGエナジーソリューションとの合弁事業という2つのプロジェクトの総投資額は51億ドルになる見通しだ。

3つ目のキーワードが世界最大の石油会社で、サウジアラビアの国有企業サウジアラムコだ。

今回ホンダがPUを提供するアストンマーチンは、F1でアラムコと提携している。昨年、巨額な資金力を持つそのアラムコがホンダのF1チームに接触、買収するのではないかとの情報を筆者は得た。買収には至らなかったが、ホンダとはさまざまな議論をしたとみられる。

ホンダの再参戦は、このアラムコの動きと無関係ではないだろう。現に今回ホンダは、F1で使うカーボンニュートラル燃料をアラムコと共同開発する。

F1では開発費に上限が設けられているが、F1と直接関係しない領域でもアラムコとホンダは今後、技術交流を深めていく計画のようだ。アラムコにとってはホンダの技術力、ホンダにとってはアラムコの資金力は魅力的だろう。

カーボンニュートラル燃料については、航空業界では一定の使用量を義務付ける動きが出ており、新規事業である小型航空機「ホンダジェット」の開発にも応用できる。

スローガン「夢の力」も再定義

これら3つのキーワード以外にも、再参戦の前提としてホンダの企業としての姿勢に変化が生まれつつある点も大きい。

09年に社長に就いた伊東孝紳氏は12年、世界販売600万台の目標を掲げ、派生車種を増やし、世界の工場の生産能力を増強した。

当時の販売実績から倍増させる野心的な計画だったが、その拡大戦略に商品力が付いていかず、13年から14年にかけて最量販車の「フィット」で度重なる大規模リコールを起こした。

攻めの姿勢に転じる体制は整いつつある
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