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インドネシアでは中国出資の高速鉄道網建設が進む AJENG DINAR ULFIANAーREUTERS

習によると、GDIは人々の暮らしを改善し、途上国を支援し、イノベーションを起こし、人と自然をつなぐ存在となることにより、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の達成に新たな原動力をもたらすものだ。

つまりGDIは、より環境に配慮し、より高い質を目指す「一帯一路の改善版」と解釈することができる。だがその実態は、中国のニーズを満たす新たなスローガンにすぎない。それだけにGDIの発表以来、一帯一路の先行きは一段と不透明になった。

再び要人のスピーチを見ると、習がGDIを発表した後に、中国政府高官がGDIに言及したスピーチは28件あった。一帯一路に言及したスピーチも25件あったが、このうち16件は「質の高い一帯一路共同建設」という表現だった。

習のスピーチに限定すると、この傾向はもっと明白だ。15回のスピーチのうち、GDIに言及したのは14回で、一帯一路は8回だけ。その全てが「質の高い一帯一路共同建設」という表現だった。

特にここ数カ月、習は一帯一路に全く言及しなくなった。一方、6月に議長を務めたBRICS首脳会議は、「質の高いパートナーシップを構築し、グローバルな発展の新時代を共に構築すること」をテーマに設定。中国外交の新しいブランドとしてGDIを改めて強調し、途上国同士の南南協力や知識共有を訴えた。

なぜ、中国政府高官の談話で「一帯一路」は「一帯一路共同建設」へと変わり、一帯一路を中心とするコンセプトは「グローバル発展イニシアティブ」へと変わったのか。

「債務の罠」を仕掛けているという悪評

その一因は、この5年ほどで一帯一路のイメージが著しく悪化したことにありそうだ。

中国が途上国のインフラ整備を「支援する」に当たり、相手国の返済能力を著しく超える資金を貸し付けて、案の定返済に窮した国から、そのインフラの権益を取り上げる「債務の罠」を仕掛けているという非難が、世界各地から聞かれるようになった。

外国への進出の仕方が植民地主義的だとか、生態系を破壊しているとか、完成したインフラの質があまりに劣悪といった批判もある。

こうした声を受け、中国は問題を改善したり、一帯一路の範囲や目的を明確にしたりするのではなく、一帯一路からGDIに看板を掛け替えることにした。だからこそ、名前だけは新しいけれど、GDIの内容は一帯一路と同じように漠然としているのだ。

一帯一路という看板が登場する前の12~13年に、習が「シルクロード経済ベルト」や「海上シルクロード」といった構想を口にするようになったように、GDIの正式発表前にも、習は「グローバルな発展」という表現をよくするようになった。

昨年9月の国連総会で発表して以来、GDIには世界100カ国以上が支持を表明し、50カ国以上が「GDIフレンズグループ」への参加に関心を示したという。

中国政府は一帯一路とGDIは別物とするが