南西部の四川省では今年、例年に比べ51%も降雨量が減ったと、新華社通信が国営の送電会社・国家電網の地元支社の発表を伝えた。人民日報のオンライン版・人民網によると、中国では秋に収穫される穀物が、年間の穀物生産のおよそ75%を占める。

人工的な手法で降雨量が増えたとしても、ヨウ化銀から発生する有毒な銀イオンが生態系を汚染し、人体を脅かす懸念もある。人工降雨に使用されるヨウ化銀が、生体内に取り込まれて害を及ぼす危険性はないといわれているが、水生生物の体内に蓄積される「生物濃縮」はあり得るとの指摘もある。また1回に散布されるヨウ化銀はわずかでも、特定の地域で繰り返しこの技術が使用されれば、人体に安全な基準値を越える可能性もある。

さらに、この技術ではある地域に雨を降らせることはできても、それによって周辺地域の降水量が減り、トータルの降水量は変わらないともいわれている。

気候危機には「荒療治」も必要?

熱波や干ばつが数々の問題を引き起こすなか、短期的な解決策として、人工降雨のほかにも工学的なアプローチの開発が進んでいる。学術誌・米国科学アカデミー紀要オンライン版に8月12日に掲載された論文で、コーネル大学の研究チームは、太陽光を宇宙に反射させて地球温暖化を防ぐソーラージオエンジニアリングの潜在的なメリットを検証している。これは、成層圏エアロゾル噴射と呼ばれる技術で、大気上層部にエアロゾル硫酸塩をばらまき、太陽光を反射させて地球を冷やすというアイデアだ。

こうした壮大な工学的アプローチには長期的な影響などの懸念材料もあるが、深刻化する気候危機に対処するには、今後こうした措置も取らざるを得ないだろうと、論文は結論づけている。

二酸化炭素(CO2)の排出削減を精力的に進めても、温暖化の進行はすぐには止められないと、論文の筆頭執筆者のマクマーティンは述べている。「気候変動の影響を緩和するその他の戦略を補強するため、太陽光を反射する技術を用いるべきか否か、今後数十年のうちに人類は困難な選択を迫られることになるだろう」

中国当局は今のところ人工降雨計画の実施を発表していないが、四川省ではようやく雨が降りだした。

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