<肝心のエネルギー価格低下は期待できず、「フラグメンテーション」の懸念も>

ユーロ圏でインフレが加速するなか、ECB(欧州中央銀行)は7月21日、政策金利を0.5%引き上げると発表した。

ECBにとっては11年ぶりの利上げだが、上げ幅は6月に0.75%という大幅利上げをした米連邦準備理事会(FRB)には及ばない。

ECBが利上げに及び腰だったのは、既に成長が鈍化するなかでの景気悪化への懸念、またウクライナ戦争によるエネルギー価格高騰の余波を恐れたからだ。今年6月、ユーロ圏のエネルギー価格は前年同月比で42%も高騰している。

一方で、利上げによって欧州が深刻な不況に突入してもロシアが今年の冬にエネルギー供給を増やすとは考えにくく、価格低下も期待できない。

さらに、EU域内でも利上げの影響はさまざまで、財政が比較的健全なドイツはダメージが少ない一方で借金まみれのイタリアは苦しくなる。

ECBのラガルド総裁は今後、域内の国債利回り格差が広がる「フラグメンテーション(域内市場の分断化)」の防止策を発表するとみられる。

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