<BTSや映画・ドラマを先頭に、世界を席巻してきた韓国のポップカルチャー産業が苦境に立っている。韓国国内の消費低迷が原因だが、実は構造的な問題も抱えている>

『バトル・オーシャン 海上決戦』1761万人、『エクストリーム・ジョブ』1626万人、そして『神と共に 第1章:罪と罰』1441万人。韓国国内の映画歴代観客動員数トップ3である。韓国の人口が5000万人余りだから、『バトル・オーシャン』は0歳児から100歳超の韓国人の3人に1人以上が見た計算になる。韓国人がいかに映画を愛してきたかが分かる。

国外進出が注目される韓国のポップカルチャーだが、映画やドラマといったコンテンツの躍進の背景に、実はこうした韓国人自身の大きな消費がある。例えば、先の『バトル・オーシャン』は国外でヒットせず、日本では劇場公開さえされていない。

その韓国のポップカルチャー産業が苦境に立っている。背景にあるのは、先に述べた韓国国内での消費の低迷である。韓国国内での映画の年間観客総数は2020年の新型コロナ禍以後大きく落ち込み、歴代観客動員数上位のうち、20年以降の作品は6位の『ソウルの春』だけである。

25年の年間観客総数も同様に低迷し、19年の半分に達しない見込みだ。ドラマの制作本数も22年をピークに減少を続けている。

国外から国内への成功の還流で、投資を回収する