日本は金メダルでは3位(27)で、メダル総数(58)では5位であるにもかかわらず「メダルラッシュに沸く日本――!」と絶叫する報道が目立ち、奇妙な違和感を覚えていた。人口14億人を超える中国と1億人強の日本では母数が違うので日本がここまで多くのメダルを獲ることは確かに称賛に値するが、その「騒ぎ方」に、母数の違いではない何かを感じ取ったのだ。

中国が金メダルを獲ったのは主として個人競技のみ

その違和感の正体を突き止めたくて、先ずは中国が獲得した金メダルの種目を考察してみることにした。

そのために、中国が獲得した金メダルのリストをオリンピックのサイトから拾い上げて、下記の図表1を作成してみた。

  図表1:中国が獲得した金メダルの競技種目と数(男女別)
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TOKYO2020のウェブサイトから拾い上げたデータ

図表1からわかるように、金メダルを獲っているのは、ほとんどが個人競技だ。

もちろん女子クオドルプルスカルといった例外もあるが、最も金メダル数が多いのがウェイトリフティングと飛込で、いずれも7個も金メダルを独占している。

次に多いのが卓球と射撃(各4個ずつ)、そして体操と競泳(各3個ずつ)だ。

いずれも、14億人いる中国人の中で、誰か一人が努力し才能に恵まれていれば戦える種目である。

野球とかサッカーとかバスケットボールといった団体競技に関しては、中国は完全にと言っていいほど、極端に弱いのが特徴だ。

次に特徴的なのが男女の金メダル獲得数の違いである。

男子13に対して女子22と圧倒的に多い。

これは改革開放後の中国が、遅ればせながら国際社会に仲間入りしようとしたときに、世界とのあまりのギャップを埋めようもなく、どういう種目なら勝てるかを研究した結果がもたらしたもので、巷ではこれを「小・巧・難・女・少」戦略と称している。

「小」はたとえば競技種目がサッカーやバスケットボールあるいは野球のようにプロスポーツ化したスケールの大きなものでなく、一人の若者が特殊な才能を持っているだけで、大金を注がずに勝てる競技のことである(中には卓球のように球が小さいということを指しているという分類の仕方もある)。まず、そこに注目して中国選手を育てる。

マイナーでも金