そんなときだからこそ、アメリカは友人を必要としている。そしてアメリカの友人たちもアメリカを必要としている。

バイデン政権下でアメリカが世界のリーダーシップを取り戻さなければ、中国が世界の覇権を握る可能性がある。それはヨーロッパやインド太平洋地域などのアメリカのパートナー諸国や同盟国にとって、心穏やかになれる見通しではない。

最近の中国の「オーストラリアいびり」がいい例だ。オーストラリア政府は今年4月、新型コロナの発生源について、国際的な調査を行うことを提唱した。これに激怒した中国政府は、オーストラリアに対して次々と貿易障壁を設置。11月には、「14項目の非難」をオーストラリアに突き付けて、「間違いを正す」ことを要求した。

ヨーロッパ諸国は、このエピソードにとりわけ注意を払うべきだ。世界は間もなく、「アメリカ・ファースト」に別れを告げることができる。だがそれが「チャイナ・ファースト」に取って代わられるだけなら元も子もない。ヨーロッパは目を覚まさなくてはいけない。これは21世紀に、「善意の」覇権国家と自由の約束を支える最後のチャンスなのだから。

©Project Syndicate

<本誌2020年12月15日号掲載>

【関連記事】
ニューズウィーク日本版 サッカーW杯 日本が優勝する日
2026年6月9日号(6月2日発売)は「日本が優勝する日」特集。

Jリーグ発足後、飛躍的に進化した日本サッカー。W杯の頂点に挑み世界を驚かせる時が来た

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます