米国では新型コロナウイルスの新規感染者が再び急増しており、都市や地方で新たな行動制限を導入する動きが広がっている。

「緊急ブレーキ」(カリフォルニア州)「凍結」(オレゴン州)「家でより安全に」(ペンシルベニア州フィラデルフィア市)「一時後退」(ミネソタ州)など呼び掛け方に違いはあっても、今回の措置は春に実施された規制に比べればずっと緩く、範囲も狭い。

当時、約2200万人の雇用を奪い、消費を消滅させて景気後退を招いた全面ロックダウンほどは経済的悪影響も出てこないだろう。

オレゴン大学のティム・デューイ教授(経済学)は「(前回のような)国内総生産(GDP)の3割に達するような打撃は見込んでいない。そこまでのマイナス要素は存在せず、景気回復が軌道を外れるとはなかなか想定しづらい」と述べた。

3月に完全に休業した店舗や工場、理美容室なども今回は多くの地域で営業を続けるとみられる。

その一因は多くの国民の行動が変わったからだ。製造業から小売店まで事業者は定期的に検温を行う態勢を整えたし、マスク着用も普及した上、着用を義務化した州も多い。一方消費者はネット通販や配送サービスを積極的に活用してお金を使い続けている。

週次データなどからも、直近で新規感染者が激増した後でさえ、経済活動の足場は崩れていないことが裏付けられる。

命を守る規制

足元で打ち出された規制の多くが対象にするのは、感染拡大という点で科学的に最も有害と証明された、密集状態の屋内で長時間、大きく呼吸するとかマスクなしでいるという行為だ。

既に痛手を受けている接客や娯楽といったセクターは一段と苦境に陥るだろう。米疾病対策センター(CDC)は19日、感謝祭休暇中の旅行については、完全には禁止しないものの手控えるよう強く勧告した。

今週新たな規制を発表した24州余りの多くは、飲食店やジムの屋内営業を休止させるか、何らかの制限を設けた。州の経済規模が国内最大のカリフォルニア州もこのグループに含まれる。一方で同州の春のロックダウンでは休業したショッピングモールやエステ、理美容室などは、一部制限はかかるが原則として営業を継続できる。

フィラデルフィア市は、20日から飲食店で屋内の食事が禁止される。これを受け、当地で2店舗を経営するタイラー・エイキン氏はテイクアウトと宅配を主体とする事業に切り替える方針だ。また23日にデラウェア州が導入する新ルールで、ウィルミントンにある同氏の店は収容人数を50%から30%に引き下げなければならなくなる。3月に経験した全店休業よりはましだが、収入減に伴う人員整理が必要になるかもしれない。

同氏は「これから(従業員との)かなりつらい話が待っている」と顔を曇らせる。

期待できない追加対策......