連邦政府の介入も

米国でのレムデシビルの適正価格については、推計値に大きな幅がある。

臨床経済的評価研究所(ICER)は、現段階の臨床試験から得られる効果の度合いに基づくと、10日間の治療コースの最高価格は4500ドルになると推計している。

一方、消費者団体のパブリック・シチズンは4日、1日当たりの治療費を1ドルに設定すべきだと主張。それで「量産コストをまかなえるし、ギリアドに妥当な利益をもたらせる」ためだとしている。

ギリアドはレムデシビルの開発コストを約10億ドルと推計しており、一部投資家は、同社がこのコストを上回って利益を出すため、価格を1患者当たり4000ドル以上に設定すると予想している。

一部の専門家は、ギリアドが米国内の価格をこれより大幅に高く設定すれば、再び薬価を巡る議論の中心に立たされると予想。最も極端な場合には、連邦あるいは州政府が公衆衛生の名の下にレムデシビルの特許保護を無効化し、強制的な製造命令を出す可能性さえある。

米政府がそうした権利を行使した前例はないが、開発段階で連邦資金補助を受けたギリアドのエイズウイルス(HIV)治療薬2種類の特許を巡り、政府が同社を提訴したことがある。

コンサルティング会社ヘルス・テックGPSのエリック・カッツCEOによると、レムデシビルは元々、連邦政府の補助を受けてエボラ出血熱の治療薬を目指して開発され、現在は米国立衛生研究所を後ろ盾に臨床試験を行っている。このため、政府は再び同様の論法を用いる可能性がある。

米下院歳入委員会の健康小委員会で委員長を務めるロイド・ドゲット議員(民主党)は今週ギリアドに書簡を送り、レムデシビルについて供給問題、開発への納税者の寄与、購入や価格設定など、計画の詳細を示すよう求めた。

「米国の納税者はレムデシビルに多額の投資を行ってきたのに、治療を必要としている人々がその見返りに受け取るのは高額の請求書だけで、ギリアド側は大きな利益を得るということになりかねない」とドゲット議員は訴えた。

Deena Beasley

[ロイター]
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