<医療崩壊に苦しむイタリアで速攻開発、特許は公開して新型肺炎で苦しむ患者に届けたい>

新型コロナウイルスの感染が爆発的に拡大しているイタリアで、あるテック系スタートアップ企業が3Dプリント技術を使ってシュノーケル用のフェイスマスクを人工呼吸器に使う技術を開発。画期的なアイデアに称賛の声が上がっている。

クリスチャン・フラカッシが創業した3Dプリンター事業のスタートアップ企業イシンノーバ(Isinnova)は、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の治療に使う人工呼吸器が不足していることに着目。自社の3Dプリント技術を使い、シュノーケリングマスクと人工呼吸器をつなぐ医療用バルブの試作に成功した。

イシンノーバはこのバルブの特許権を取得したが、誰でも複製できるよう設計図を公開している。開発チームのブログによれば、実用実験はこれまでのところ上々だ。

イタリアは中国を除けば新型コロナウイルスの感染者が最も多く、これまでに6万9000人以上の感染が確認されている。全土で市民の外出や移動を制限する封鎖措置(ロックダウン)が取られているが、人工呼吸器などの医療機器の不足が深刻だ。

ロンバルディアの医師のアイデア

3Dプリンターを使うという最初のアイデアは、医療崩壊が深刻な北部ロンバルディア州にあるガルドーネ・バル・トロンピア病院の元医長レナート・ファベロがイシンノーバ社に持ち込んだ。

このアプローチが斬新なのは、市販のシュノーケルを人工呼吸器に適合させた点。今回イシンノーバが使用したのは仏デカトロン社製のシュノーケリング用マスク「イージーブレスEasybreath」だ。

「デカトロンは協力に前向きで、すぐに私たちが指定したマスクの設計図を提供してくれた。私たちはマスクを分解して研究し、人工呼吸器につなぐためのバルブを設計した。これをシャーロット・バルブと名づけ、すぐに3Dプリンターで複製した」とイシンノーバの開発チームは説明する。

同社はこのバルブについて、まだ「未承認の装置」だが、地元のキアーリ病院での実用実験で効果が認められたという。

特許取得も設計を無料で公開