<トランプ政権やイラク政府は2年前にテロ組織イスラム国(IS)に対する勝利を宣言したが、ISは再び、より強く、より洗練された技術をもつ組織として復活しようとしている>

クルド人の情報機関および軍関係者はテロ組織IS(イスラム国)がイラクで再編成を始めていると警告する。ある当局者はこの新組織を「筋肉増強したアルカイダ」と呼ぶ。

「この新組織は技術的、戦術的に進化しており、自由に使える資金もはるかに多い」と、クルド人組織でテロ対策の責任者を務めるラフール・タラバニーは、BBCの番組で新組織について語った。「車両、武器、食料、装備、何でも買うことができる。技術的にもはるかに洗練されている。連中を追いだすのは、以前より難しくなっている。まるでステロイドで筋肉を増強したアルカイダだ」

ドナルド・トランプは批判の多いシリアからの米軍撤退を正当化するため、ISは完全に掃討したと繰り返し主張してきた。

しかし、米軍はまだ警戒を緩めていない。中東と中央アジアの米軍部隊を指揮下におくアメリカ中央軍のケネス・マッキンジー司令官は11月、地域の安定化をはかり、ISと闘うクルド人主導のシリア民主軍を支援するために、500人の米軍部隊がシリア北東部に残るだろうと記者団に語った。

警告されていた復活

トランプが10月に発表したシリアからの米軍撤退は、民主・共和両党の議員から激しく批判された。そこでトランプは、ISは「決定的な」敗北を喫したと主張することで、自らの決断を擁護した。

アメリカはもう「あらゆる相手を打ち負かす」ことを望まないとトランプは主張し、その役目は地域の大国が負うべきだと論じた(軍関係者の専門紙ミリタリータイムズによると、現在、アメリカはイラク政府と合意の上で、5000人以上の部隊をイラクに駐留させている)。

一方、アメリカ中央軍の広報担当者ジョン・リグスビー陸軍少佐は、「アメリカが望むのは、イラクが暴力的な過激派グループやイラクの安定を損なおうとする人々から自らを守ることができる、安定し独立した国となり、最終的に豊かになることだ」と、本誌に語った。

「米軍は、イラクの人々がこれらの目的を達成するための支援に全力で取り組んでいる。国防総省は、ISを打倒する任務を支援するために、より広範な連合の一部としてのイラク治安部隊に助言と支援を引き続き提供することを確約する」

2017年12月、当時のイラク首相ハイダル・アバーディは、イラク国内のISに対する勝利を宣言した。だが、西側と中東の情報機関関係者はその後も、イラクとシリアでISが再び勢力を取り戻す可能性があることを繰り返し警告してきたのだ。

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IS設立当初と似た状況